内 容
世界史において中央ユーラシア世界が果たした巨大な役割を明らかにすることで、新たなシルクロード史観を構築。東西ウイグルの興亡から、商業ネットワークと交易品、マニ教・仏教の展開まで、現地の多様な出土文書・碑文や美術・考古資料に基づき、漢文史料などを相対化、激動の時代を描く集大成の書。
目 次
口 絵
序 文
目 次
凡 例
第一篇 東ウイグル・唐・吐蕃鼎立時代篇
1 ウイグルから見た安史の乱
2 チベット語史料中に現われる北方民族 —— DRU-GU と HOR
3 吐蕃の中央アジア進出
4 増補: ウイグルと吐蕃の北庭争奪戦及びその後の西域情勢について
第二篇 西ウイグル・敦煌王国・河西ウイグル時代篇
5 ウイグルの西遷について
6 ウイグルと敦煌
7 敦煌と西ウイグル王国 —— トゥルファンからの書簡と贈り物を中心に
8 沙州ウイグル集団と西ウイグル王国
第三篇 シルクロード篇
9 唐代における胡と仏教的世界地理
10 シルクロードのウイグル商人 —— ソグド商人とオルトク商人のあいだ
11 シルクロード東部における通貨 —— 絹・西方銀銭・官布から銀錠へ
12 敦煌出土元代ウイグル文書中のキンサイ緞子
13 元代ウイグル仏教徒の一書簡 —— 敦煌出土ウイグル語文献補遺
第四篇 マニ教・仏教史篇
14 東ウイグル帝国マニ教史の新展開
15 西ウイグル王国時代のマニ教隆盛 —— マニ教寺院経営の実態
16 西ウイグル王国におけるマニ教の衰退と仏教の台頭
17 トルコ仏教の源流と古トルコ語仏典の出現
18 西ウイグル仏教のクロノロジー
—— ベゼクリクのグリュンヴェーデル編号第8窟(新編号第18窟)の壁画年代再考
19 西ウイグル王国史の根本史料としての棒杭文書
あとがき
初出一覧
漢籍使用版本一覧
略号表
文献目録
地 図
図表一覧
索 引
書 評
『東洋史研究』(第75巻第4号、2017年3月、評者:森部豊氏)
『史学雑誌』(第125編第10号、2016年10月、評者:白須淨眞氏)
関連書
『マルコ・ポーロ/ルスティケッロ・ダ・ピーサ 世界の記』 高田英樹 訳