内 容
「百寮」とも称された数多の官司・官人を擁し、変容しつつ中世の戦乱を生き延びていく朝廷。それは単なる「崩れた律令制国家」ではなかった ——。治天権力の関与などに着目する新たな視座のもと、地下官人を含む「官司制」の全体像とその歴史的変遷を体系的に描きだし、さらに世界史のなかにも位置づけた力作。
目 次
序 章
1 中世朝廷の官司制度研究史
2 中世朝廷の地下官人研究史
3 本書の視角と構成
第Ⅰ部 官司制度の展開と変容
第1章 中世朝廷の官司制度とその変遷
はじめに
1 鎌倉期の官司制度と運営構造 —— 知行官司制の再検討
2 鎌倉後期の官司制度の変容と朝廷徳政
3 南北朝期以後の官司制度と諸司職
おわりに
第2章 中世朝廷の官司下文
はじめに
1 官司政所下文と「宣」
2 官司長官下文と「下知」
3 中世朝廷社会における官司下文の諸相と展開
おわりに
第3章 建武政権の官司制度再考
はじめに
1 建武政権期の官司人事とその推移
2 建武政権下の官司運営
3 建武政権下の八省卿と廃絶官職の復興
おわりに —— 建武政権の官司興行と徳政
第3章付論 「為官択人」と「為人択官」
—— 中世朝廷の政治思想の一断面
1 万里小路宣房の議奏
2 鎌倉初期の九条家と菅原為長
3 後醍醐天皇の政治実践
第4章 南北朝期の大炊寮と「寮務」
——「寮家」の運営構造と発給文書
はじめに
1 大炊寮における「寮務」と「寮家」—— 朝廷と在地の間
2 「寮家」と官司運営の構造 —— 寮政と家政
3 「寮家」と官司文書
おわりに
第5章 中世朝廷の官司知行と諸司務
はじめに
1 院政・鎌倉初期の官司知行
2 鎌倉後期の官司知行の展開
3 南北朝期以後の官司知行
4 諸司務の歴史的地位 —— 官司から朝廷・公武関係へ
おわりに
第5章付論 「公領」としての諸司領
1 もう一つの「公領」
2 「公領」の分流
3 「中古之例」と「近例」
第Ⅱ部 地下官人社会と官司制度
第6章 中世朝廷における地下官人社会の変容と天皇・治天
はじめに
1 中世朝廷の官人領と地下官人社会
2 地下官人社会における「家」の形成と治天
3 地下官人社会の朝恩・奉公と禁裏
おわりに
第7章 中世朝廷における蔵人所出納の変遷
はじめに
1 平安末期から鎌倉初期まで —— 出納から外記・史へ
2 鎌倉中後期の展開 ——「皆有重代経歴之事」
3 南北朝期の再編 —— 諸司職と「朝恩」
4 室町期の転成 —— 室町殿家礼と出納職の独占
おわりに
第8章 南朝地下官人考
はじめに
1 建武政権後の地下官人社会
2 南朝参仕の地下官人
おわりに —— 南北朝時代の地下官人社会
第9章 室町・戦国期の地下官人と諸司職・諸司領
はじめに
1 堀川家と諸司職
2 堀川家と右衛門府年預職・右衛門府領
おわりに
第Ⅱ部補論 諸司の古老公人
1 主殿寮の下部
2 漢の老吏
3 大蔵省の公人
終 章
1 日本中世における官司制
2 世界史における日本中世の官司制
注
あとがき
図表一覧
事項索引
人名索引


