内 容
取引=徴税が映しだす中国固有の秩序とは —— 唐代から千年以上続いた塩取引の統制と流通課税、すなわち「塩政」。清末以降の関税・海関制度とのパラレルな展開を手がかりに、「専売」「独占」といった既存の枠組みでは捉えきれないその実像を解明し、今につながる中国経済・社会の深層構造を浮き彫りにする。
目 次
巻頭地図
序 章
1 「海関史」と「塩政史」—— 先行研究と学説史
2 課題の設定と本書の構成
第1章 綱法の成立
1 塩政とは何か —— 予備的説明
2 前 史
3 明から清へ
第2章 「朝貢」と「互市」と海関
1 「朝貢」から「互市」へ
2 「互市」の生長
3 「互市」と「朝貢体制」
4 「互市」から「朝貢」へ
第3章 清末票法の成立
1 両淮の改革
2 票法の施行
3 再検討
4 票法とは何か
おわりに
第4章 魏源の塩法論を中心として
はじめに
1 「淮北票鹽記」
2 「籌鹺篇」
おわりに
第5章 自由貿易と保護関税
——「裁釐加税」の形成過程
はじめに
1 南京条約の締結
2 天津条約とオルコック協定
3 保護関税
4 芝罘協定以後の釐金交渉
5 保護関税から「裁釐加税」へ
おわりに
第6章 淮南と票法と塩釐
はじめに
1 淮南票法
2 「崩壊」
3 復 活
むすびにかえて
第7章 票法からインド塩法へ
はじめに
1 「票法」とは何か
2 塩政と改革思想
3 インド塩法の登場
むすびにかえて —— 民国への展望
第8章 辛亥革命と海関
はじめに ——『中國海關與辛亥革命』
1 北京 —— 10月17日~25日
2 上海と北京 —— 10月25日~11月3日
3 長沙と北京 —— 10月12日~11月2日
4 上海と北京と長沙 —— 11月3日~22日
5 「関税保管制度」の形成 —— 11月19日~12月2日
6 辛亥革命とは何だったのか
むすびにかえて——「中国の信用」「国家の信用」
第9章 清末民国と塩税
はじめに
1 義和団賠償金と塩税
2 民国へ —— 善後借款成立の意味
3 塩務稽核所
4 塩余と截留
おわりに
第10章 関税とイギリス外交
はじめに
1 ワシントン会議と中国財政
2 イギリス公使館のみかたと外務省
3 タイクマン案をめぐって
4 北京とロンドンのあいだ
5 関税特別会議と省港罷工
おわりに
第11章 デーンの挑戦
1 赴 任
2 長 蘆
3 両 淮
おわりに —— 展望
終 章
1 変化と不易
2 塩政の構成
3 国家体制と社会経済
註
あとがき
文献目録
索 引





