内 容
1990年代後半から中国の都市部では失業問題が急速に悪化し、農村では余剰労働力が現れつつある。これらはどのような歴史的背景から生まれ、現状はどうなのか。こうした労働市場の地殻変動は中国経済をどのように変貌させていくのだろうか。経済学、歴史、統計からアプローチする。
目 次
序
第1章 都市部労働市場の構造と変動
1 工業化戦略と労働供給:1949-57年
2 労働市場抑圧の時代:1957-78年
3 労働市場の漸進的導入:1978-2000年
第2章 農村部の労働需給と農村労働力の移動
はじめに
1 限界生産性ゼロの労働は本当に存在したか?
2 改革開放以前の農工間労働移動
3 改革開放以降の農村における農業以外への就業
4 農村労働力の移動
5 省間での農村労働力移動の分析
おわりに
第3章 失業問題の実態・対策・展望
はじめに:社会主義と失業問題
1 国際比較から見た中国の失業問題
2 失業の実態
3 失業保険と一時帰休者対策
4 失業問題の地域差
5 潜在失業の推計と失業問題のゆくえ
おわりに:失業問題の展望
第4章 労働市場の分断
はじめに
1 企業の従業員採用に対する規制
2 労働市場の分断
3 企業内労働市場の構造変化
おわりに
第5章 労働制度改革・社会保障改革と企業業績
はじめに:中国企業の3機能
1 制度変化の3側面
2 制度変化の実態
3 労働分配率の変化
4 制度改革と企業業績
おわりに
第6章 自営業への就業
はじめに:自営業の再認識
1 自営業による雇用創出
2 自営業の創業
3 温州企業家の創業史
おわりに
結び:中国労働市場の地殻変動と日本
注
リーディング・リスト
参考文献
図表一覧
あとがき
人名索引
事項索引
受 賞
シリーズ現代中国経済
【第4巻】『企業の成長と金融制度』 今井健一・渡邉真理子 著