書籍の内容
経済のグローバル化にともない地域への関心が高まる一方、地域格差の拡大、地域保護主義の台頭など、中国では地域をめぐる問題がますます深刻化している。本書は、複数の地域の集合体として中国を捉える視点から、特に地域開発に焦点をあて、その戦略と発展のダイナミズムを分析する。
書籍の目次
序 章 地域開発の課題と方法
1 地域開発の課題
2 地域開発の分析手法
3 本書の構成
補論1 地域集中化モデル
補論2 現代版 「ビッグ・プッシュ」
第1章 地域開発戦略の変遷
1 社会主義時代の地域開発
2 改革開放時代の地域開発
3 地域均衡発展戦略への転換
4 地域開発戦略の評価
第2章 地域開発と地域格差
1 地域格差の動向
2 地域格差の分解
3 地域格差の要因
4 地域格差のゆくえ
第3章 地域開発と国内市場の統合
1 産業立地の変遷
2 国内市場統合の現状
3 「7大経済圏」 構想と地域間協力
4 国内市場統合の展望
第4章 地域開発と地方政府の役割
1 財政を通じた中央-地方関係
2 地域保護主義の政治経済学
3 地方政府主導型発展の制度分析
4 地方政府主導型発展の有効性と限界
第5章 地域開発と産業集積
1 グローバル体制下の地域発展
2 長江デルタ: 浙江省温州市の経験
3 珠江デルタ: 広東省東莞市の経験
4 両デルタの将来像
第6章 「西部大開発」 の現状と課題
1 西部地域の位相
2 開発戦略としての 「西部大開発」
3 山積する課題
4 「西部大開発」 のゆくえ
第7章 東北地域の開発と北東アジア
1 中国のなかの東北
2 北東アジアのなかの中国東北部
3 「構想」 としての北東アジア
4 東北開発の可能性と課題
終 章 中国の地域発展と日本の対応
1 再び 「空間」 について
2 東アジアの分業体制の再編
3 中国とどう向き合うか
シリーズ現代中国経済
【第4巻】『企業の成長と金融制度』 今井健一・渡邉真理子 著