内 容
イノベーション中心主義をこえて ——。日々の暮らしや巨大産業、さらには軍事も、「新型」だけでは成り立たない。むしろ我々は、慣れ親しんだ品々や技術を、修理・改良して使い続けている。この事実から見えてくる、驚くほど豊かな世界とは。日本を含む先進国から最貧困地域まで、新旧入り混じるテクノロジーの進化をたどり、歴史像を鮮やかに刷新する。
目 次
第2版への序文
序 章
第1章 重要性
テクノロジーを査定する
利用は十分ではない
テクノロジーの選択
航空と核エネルギーを評価する
スピンオフ
小さなテクノロジーと大きな効果
マラリア
第2章 時 代
時代は変わっている
馬、ラバ、および牛
「ミュール」紡績機の衰退
アルファヴィルではなくビドンヴィル
——テクノロジーと貧しい巨大都市
クレオール・テクノロジー
輸 送
ボートを改造する
レトロと再登場
第3章 生 産
家計の生産
ミシンと糸車
道具と小商い
米国とソ連における家族経営農家
長い好景気中の農業革命
産業と大量生産
長い好景気中の自動車
サービス産業
第4章 メンテナンス
メンテナンスと修理はどのくらい重要か
メンテナンス
大量生産と自動車メンテナンスの技能
メンテナンスと大規模産業
航 空
戦艦と爆撃機
メンテナンスから製造とイノベーションへ
エンジニアと社会のメンテナンス
第5章 国家と国民
テクノナショナリズム
国のイノベーションと国の成長
テクノグローバリズム
アウタルキーとモノたち
水素添加
国がすべてではない
外国のテクノロジーと一国社会主義
国対会社
国、帝国、人種
アジアとテクノナショナリズム
第6章 戦 争
ありきたりのお話
古い兵器と戦争での殺戮
致死率のパラドクス
威力と効果 —— 使われなかった兵器と使えない兵器
戦争におけるテクノロジー決定論と経済決定論
イラクと過去
拷 問
戦争、テクノロジーと20世紀の歴史
第7章 殺 し
殺しのイノベーション
捕鯨と漁業
屠殺場
長い好景気中の動物殺しとその後
処刑およびその他の殺し
ジェノサイドのテクノロジー
第8章 発 明
アカデミックな科学と発明
発明の段階モデル
発明のための新たな機関
原爆計画にはどのくらいあてはまるのか
発明の速さは増大し続けているのか
終 章
謝 辞
訳者あとがき
注
参考文献
図表一覧
索 引
関連書
『戦争国家イギリス』 デービッド・エジャトン 著/坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳