内 容
橋本幸士先生推薦! 「メタな視点を与えてくれる —— 研究で不安になったら、手に取ってみよう」
(京都大学教授/理学博士/『超ひも理論をパパに習ってみた』『物理学者のすごい思考法』著者)
誰も教えてくれなかった! 定番ガイドの最新版
技術マニュアルを超えて、博士号取得をその考え方から解説。研究計画の作成から執筆のコツ、教師との付き合い方、陥りがちな落とし穴やメンタルヘルスに至るまで、だれもが経験する実践的課題への対応をわかりやすく描き、学生・教員の双方から絶大な支持を集める世界的ベストセラー。
第7版ではコロナ禍以降の状況にあわせ内容を大幅にアップデート。リモート指導やハラスメント、良好な研究環境の作り方など、話題のテーマに関する記述がさらに充実。
本書の特徴
・「博士号」とは何か、何のために取得するのか、根本的な問いから説き起こす。
・入学前の大学選びから研究・執筆、口頭審査まで、博士課程の全プロセスについてわかりやすく解説。学術的側面だけでなく日常生活やメンタルにまつわるトピックにも言及する。
・論文の「オリジナリティ」とは何か、週あたり何時間の作業が必要か、博士論文に向いている問いの立て方、執筆力のつけ方や孤独感への対処法など、知りたかったテーマに明快なヒントを与え、文理や専攻を問わず共通の課題や指針を示す。
・成功例だけでなく失敗談もあわせ、学生・教員が実際に経験した事例を数多く掲載。
・社会人学生や学び直し、留学を含むさまざまなキャリアに応じたアドバイスも充実。
・学生とのすれ違いを防ぐ方法や、指導者として果たすべき役割など、教員にとっても知りたい情報が満載。
・ワークライフバランスや搾取・差別、ハラスメントへの適切な対処といった話題のテーマについて増補。研究機関・指導者が配慮すべき事柄や、リモート指導なども取り上げる。
目 次
第7版への序文
第1章 博士課程の学生になるということ
博士課程教育の本質
研究学生になる心理
本書の目的
第2章 博士課程に入る
研究機関と研究分野の選択
初めての連絡
資 格
研究費と研究サポート
博士課程教育センター
通信教育は可能か
指導教員を選ぶ
研究学生としての始動
博士課程の俗説と真実
チームワーク
第3章 博士学位の本質
博士号の意味
完全なプロの研究者になる
修士号と博士号の違い
学生のねらい
指導教員のねらい
論文審査委員のねらい
大学と研究資金提供者のねらい
ミスマッチとトラブル
第4章 博士号を取得しない方法
博士号を欲しがらない
求められる要件を過大評価することによる博士号への誤解
求められる要件を過小評価することによる博士号への誤解
博士号の要件を理解する指導教員をもたない
指導教員との連絡をとらない
研究環境にいない
持論をもたない
他人の業績の盗用・剽窃、または結果の捏造
論文提出前にまったく違う職に就く
第5章 博士課程の学習方法
研究の特徴
基本的な研究の種類
博士号のための研究はどの種類がよいか
研究する技法
研究スキルの涵養
研究ツール
博士号取得のためのリーディング
実践にもとづく学問分野における博士号
一連のプロジェクトとしての博士号
刊行済みの研究をもとに博士号を取得する
専門職博士号
オリジナリティという概念
第6章 指導教員との付き合い方
指導チーム
指導教員が博士課程学生に期待すること
指導教員を「育てる」必要性
コミュニケーションの壁の取り払い方
指導教員の変更
指導における不適切な関係
第7章 博士論文を書く
何を書くか
博士論文の型
詳細な構成と見出しのつけ方
いつ書くか
どう書くか
書くことを学ぶ
ライターズブロック
論文の内容と文体
学会発表論文とジャーナル論文を書く
オープンアクセス
偽カンファレンス、偽ジャーナル、そして自費出版
第8章 博士課程のプロセス
心理面
疑念と不安
ヘルプとサポートの位置づけ
プロジェクトマネジメント
博士課程中に教鞭をとる
第9章 アカデミックな環境で研究する
はじめに
学術環境に身を置く
パートタイム学生が直面する問題
年長学生
英国の文化環境で研究する
ロールモデル、メンター、そしてサポートグループ
ストレスを減らし健康を維持する
うまくいかないとき
むすび
第10章 審査制度
提出の告知
審査委員とのアポイントメント
論文提出
口頭審査
第11章 指導と審査の仕方
学生が指導教員に求めているもの
研究手法の指導
遠隔指導
ティーチングアシスタントやリサーチアシスタントの指導
指導教員チームとして働くこと
学術環境で研究できるよう学生を援助する
英国文化に学生が適応するのを助ける
問題が起きたときの学生へのサポート
審査の仕方
よい指導の成果
第12章 研究機関の責務
大学の責務
研究科の責務
むすび
付録1 学生のための研究進捗度自己診断表
付録2 博士課程学生の指導のための自己診断表および検討事項リスト
付録3 指導教員候補へのアプローチの仕方
訳者あとがき
参考文献
索 引
関連書
『生命科学の実験デザイン〔第4版〕』 G.D.ラクストン,N.コルグレイヴ 著/麻生一枝・南條郁子 訳