内 容
なぜPKOに協力するのか。紛争後の国家・社会はいかなる形をとるべきか。そもそも平和とは何か。現場の実践に深くビルトインされた概念を根本から問い直し、多岐にわたる活動を貫き支えるPKOの本質を鋭く析出。内在する緊張や矛盾をも正面から見つめ、理想論をこえてその行方を展望する。
目 次
序 章 平和維持を考える
1 PKOという実践
2 実践を動かす思想
3 思想は理想ではない
4 本書の構成
5 意義と位置づけ
第1章 協 力
—— PKOはなぜ可能となるのか
1 PKOを支える協力
2 多角化するPKO協力
3 なぜ協力するのか
4 物質益 —— 合理主義からみた協力(1)
5 政治外交益 —— 合理主義からみた協力(2)
6 国際益 —— 合理主義からみた協力(3)
7 国際規範としてのPKO —— 構成主義からみた協力(1)
8 政府アクターによる規範の受容 —— 構成主義からみた協力(2)
9 NGOによる規範の受容 —— 構成主義からみた協力(3)
10 協力現象としてのPKO
第2章 国 家
—— 紛争後社会のガバナンスとはなにか
1 国家建設としての平和維持・構築
2 現代国家建設論
3 自由主義平和構築における国家
4 ハイブリッド平和構築
5 レジリエンス論
6 代替モデルにおける国家とガバナンス
7 PKOにおける国家とガバナンス
第3章 平 和
—— なにが和解をもたらすのか
1 PKO研究における「平和」
2 平和へのアプローチ
3 現代PKOにおける平和
4 紛争解決装置の持続的内在
5 社会的正義と能力実現
6 武力紛争の不在
7 PKOを導くさまざまな「平和」
終 章 平和維持思想と国際政治
—— 変化、継続、架橋から
1 平和維持における諸思想・実践
2 平和維持思想の変化と継続性
3 可能性と展望 —— 3つの架橋から
あとがき
注
参考文献
略語一覧
索 引