内 容
文明社会の「人間学」へ —— 。生前のヒュームが最も苦心して改稿を重ね、政治・経済・社会思想から道徳哲学・批評を含む広大な領域を横断的に論述したエッセイ集。多くの読者を獲得し、賢人ヒュームの名声を世に知らしめたもう一つの主著が、本邦初訳を多数含む「完訳版」としてよみがえる。
目 次
凡 例
第Ⅰ部
1 趣味および情念の繊細さについて
2 言論・出版の自由について
3 政治は科学になりうる
4 統治の第一原理について
5 統治の起源について
6 議会の独立について
7 ブリテンの政体は絶対君主政へ傾いているのか、それとも共和政へ傾いているのか
8 党派一般について
9 グレイト・ブリテンの党派について
10 迷信と熱狂について
11 人間本性の尊厳ないし卑しさについて
12 政治的自由について
13 雄弁について
14 技芸と学問の生成・発展について
15 エピクロス派
16 ストア派
17 プラトン派
18 懐疑派
19 一夫多妻と離婚について
20 著述の簡素と洗練について
21 国民性について
22 悲劇について
23 趣味の標準について
第Ⅱ部
1 商業について
2 技芸における洗練について
3 貨幣について
4 利子について
5 貿易差額について
6 貿易上の嫉妬について
7 勢力均衡について
8 租税について
9 公信用について
10 若干の注目に値する法慣習について
11 古代諸国民の人口について
12 原始契約について
13 絶対的服従について
14 党派の歩み寄りについて
15 新教徒による王位継承について
16 完全な共和国についての設計案
第Ⅲ部
1 エッセイを書くことについて
2 道徳上の偏見について
3 中産層について
4 厚顔と謙虚さについて
5 愛と結婚について
6 歴史の研究について
7 貪欲について
8 ロバート・ウォルポール卿の性格について
9 自殺について
10 霊魂の不滅について
解 題 ヒューム『道徳・政治・文学論集』について
人名索引
書 評
毎日新聞(2018年1月23日付、オピニオン欄「月刊時論フォーラム」、評者:遠藤乾氏)
『社会思想史研究』(第36号、2012年、評者:星野彰男氏)
『イギリス哲学研究』(第35号 2012年、評者:坂本達哉氏)
読売新聞(2011年12月25日付、特集「読書委員が選ぶ『2011年の3冊』」、評者:堂目卓生氏)
訳者の既刊書
関連書
『イギリス思想家書簡集 アダム・スミス』 篠原 久・只腰親和・野原慎司 訳