書籍の内容
女主人が主宰する優雅で洗練された社交の場は、デカルト思想、新科学、啓蒙思想、フェミニズムなど、新しい思想の創出・交流・伝播を担う重要なメディアにして公共的空間でもあった。17・18世紀の思想を動かしたフランス・サロン文化の役割をあますところなく描きだす。
書籍の目次
序 章 フランスのサロンと思想の歴史
第1章 フランス17・18世紀の思想の流れ
1 17世紀の思想の流れ
2 18世紀の啓蒙思想
3 17・18世紀の人間論、道徳思想
第2章 17世紀前半のサロン 1600-1650
1 ランブイエ侯爵夫人の「青い部屋」とデ・ロージュ夫人、オーシー夫人のサロン
2 「オネットム」の理想
第3章 17世紀中ごろのサロン 1650-1660
1 スキュデリー嬢の「土曜会」
2 フェミニズムの進展(その1)——「プレシオジテ」
第4章 17世紀後半のサロン 1660-1680
1 ラ・サブリエール夫人のサロン
2 フェミニズムの進展(その2)—— 女性と学問
3 サロンによる新思想の普及
—— 新科学、デカルト思想、ガッサンディの思想
第5章 17世紀から18世紀へ 1680-1715
1 デュ・メーヌ公爵夫人のソーの館
2 ランベール夫人のサロン
第6章 18世紀前半のサロン 1715-1750〈その1〉
1 タンサン夫人のサロン
2 デュ・デファン夫人のサロン
3 ブフレール夫人のリュネヴィルのサロン
第7章 18世紀前半のサロン 1715-1750〈その2〉
1 フェミニズムの進展(その3)—— デュ・シャトレ夫人の場合
2 サロンと「フィロゾフ」たち
3 思想のサロン化
4 人生の幸福をめぐって —— サロンの女性たちの思想
終 章 アンチ・サロンの思想 —— ジャン=ジャック・ルソー
あとがき
注
参考文献
図版出典一覧
人名索引
書籍の書評紹介
【毎日新聞書評】
関連書籍の紹介
『セレブの誕生』 アントワーヌ・リルティ 著/松村博史・井上櫻子・齋藤山人 訳