内 容
「消費税」のグローバルな起源にせまる —— いまや不可欠な安定財源として多くの国が採用している付加価値税。そのフランスでの発明から EEC での導入義務化に至るプロセスを初めて解明、世界的な展開の第一歩を描くとともに、欧州の財政統合や独自財源の試みが直面した困難の核心を捉え、ユーロ導入の陰に隠された論点に光を当てる。
目 次
序 章 欧州統合の歩みと付加価値税
第Ⅰ部 共同市場の創設と租税協調
—— ECSC から EEC へ
第Ⅰ部はじめに
第1章 ECSC における租税協調の挫折
—— 部門別経済統合と売上税制
1 共同体の創設と「欧州税」
2 共同市場の創設に向けた租税協調の模索
3 仏独の「租税対立」—— 鉄鋼共同市場と国境調整
4 早すぎた提案 —— フランスによる付加価値税の導入と ECSC
小 括
第2章 全般的経済統合と租税主権の衝突
—— EEC に埋め込まれた協調の可能性
1 租税政策への介入可能性 —— スパーク委員会報告書
2 国境調整とローマ条約 —— フランスが得たもの、失ったもの
3 租税協調への道標 —— ローマ条約の税制関連規定
小 括
第Ⅱ部 官僚たちの租税協調
—— 共同市場における付加価値税の正当性
第Ⅱ部はじめに
第3章 売上税制協調に向けた合意形成の試み
—— 欧州委員会のイニシアティブ
1 後回しにされた租税問題 —— 第4総局の設立
2 租税問題の発生と議論の本格的始動
3 加盟国の反発とフランス —— 繰り返す「租税対立」
小 括
第4章 租税協調の理論的基盤
—— 官僚レベルの交渉と接近
1 ドゴール外交と租税協調
2 目指すべき税制をめぐる折衝 —— ノイマルク委員会の提案
3 付加価値税の優位性 —— ABC 小作業部会の提案
4 共通化への前進とさらなる課題 —— 1次指令原案の策定
小 括
第Ⅲ部 欧州統合の深化と付加価値税
—— 1次・2次指令から「共同体税」へ
第Ⅲ部はじめに
第5章 フランス型付加価値税の確立と伝播
—— 仏独のイニシアティブと税制改革
1 修正指令と方針決定
2 新世代の租税官僚による主導 —— フランスの売上税制改革
3 EEC における税制論議の戦略的利用 —— 西ドイツの売上税制改革
小 括
第6章 合意の形成とフランスの思惑
—— 1次・2次指令の採択
1 国境調整の撤廃が意味するもの —— フランスの抵抗
2 難航する合意形成 ——「空席危機」の勃発
3 1次・2次指令の条文確定とフランスの役割
小 括
第7章 共通付加価値税の完成と限界
—— 6次指令の採択と独自財源化の試み
1 統合の深化と独自財源の模索
2 租税協調の限界 —— 各国の対応と6次指令
3 「共同体税」の理念と実態 —— 予算権限と財源構造をめぐる議論
4 「共同体税」の後退と共同体予算のシーリング
小 括
終 章 「フランスの付加価値税」から世界的普及へ
参考文献
あとがき
付 録
索 引





