内 容
スターバックスやアップル、グーグルなど、名だたるグローバル企業がおこない、世界的に問題化した租税回避行為をいかに抑止すべきか。各国で導入が進むGAARの効果と限界を実証的に浮き彫りにし、岐路に立つわが国がとるべき道を、GAARにかわる第三のアプローチとともに提示する。
目 次
序 章 租税回避の現在
1 はじめに
2 租税回避とは何か
3 世界におけるGAARの状況
4 本書の取り組む課題
第Ⅰ部 アメリカ法の対応
—— 経済的実質主義の制定法化
はじめに
第1章 アメリカにおける判例法理の発展
1 租税回避の概念
2 経済的実質主義の形成
3 形成後の展開
4 小 括
第2章 制定法化までの経緯と議論
1 判例法理の課題
2 立法の沿革
3 2010年ヘルスケアおよび教育調整法
4 小 括
おわりに
第Ⅱ部 カナダ法の対応
—— 一般的租税回避否認規定(GAAR)
はじめに
第3章 カナダにおける伝統的な租税回避への対処
1 租税回避の概念
2 連邦議会による租税回避への対応
3 裁判所による租税回避への対応
4 小 括
第4章 GAARの導入へ
1 導入の背景
2 GAARの立法過程
3 制定されたGAAR
4 小 括
第5章 GAARの運用実態
1 GAARの適用件数
2 主な適用事例
3 判決の傾向
4 GAARの評価
5 小 括
おわりに
第Ⅲ部 日本法の対応
—— GAARを導入すべきか
はじめに
第6章 日本における租税回避対策の展開
1 租税回避への伝統的な対処
2 実質主義にもとづく租税回避対策の試み
3 司法的なアプローチの模索
4 近年の裁判例
5 GAAR導入論の再燃
6 小 括
第7章 日本法への示唆
1 新たなアプローチの検討
2 GAAR導入の是非
3 法解釈的手法の立法化の是非
4 わが国への提案 —— 解釈統制アプローチ
5 小 括
おわりに
終 章 GAAR導入論を超えて
参考文献
あとがき
図表一覧
事項索引
判例索引
受 賞
書 評
『図書新聞』(2021年4月24日号、第3493号、評者:浅妻章如氏)