内 容
総統、労働者、民族共同体をモチーフに「芸術作品」として創造された第三帝国 —— ナチズムの「政治の美学化」による支配の全体構造と、大衆消費社会におけるキッチュと結びついて統合力を発揮していくメカニズムを、歴史社会学的手法によって解明し、美的なものの現実性を浮彫りにした力作。
目 次
序 章 芸術作品としての国家
第1章 大衆のモニュメント
1 はじめに
2 美学としての政治
3 芸術としての政治
4 おわりに
第2章 民族共同体の祭典
1 はじめに
2 民族共同体の理念と現実
3 運動の祭典
4 民衆の祭典
5 おわりに
第3章 近代の古典美
1 はじめに
2 近代と反近代
3 近代の古典美
4 キッチュと即物性
5 おわりに
第4章 労働者の形態
1 はじめに
2 労働者の概念
3 労働者と社会政策
4 労働者の形態
5 おわりに
第5章 親密さの専制
1 はじめに
2 ヒトラーの肖像
3 親愛なる総統
4 親密さの専制
5 おわりに
終 章 芸術作品の黄昏
1 はじめに
2 ロマン主義の両義性
3 キッチュと美的抵抗
4 おわりに
あとがき
注
図版出典一覧
事項索引
人名索引
書 評
『ソシオロジ』(第53巻第3号、2009年2月、評者:細見和之氏)
『社会学評論』(第58巻第4号、2008年3月、評者:宮本直美氏)
毎日新聞(2007年12月9日付、特集「2007年『この3冊』」、評者:井上章一氏)
関連書
『第三帝国の音楽』 エリック・リーヴィー 著/望田幸男監訳/田野大輔・中岡俊介 訳
『ナチズムと歴史家たち』 P.シェットラー 編/木谷 勤・小野清美・芝 健介 訳