内 容
国際通貨体制の全体的編成とその帝国主義的性格を、最初の資本主義国イギリスにおける一国金本位制確立から「大不況」をへて第一次大戦にいたる国際金本位制完成までの曲折に満ちた道程として、主要帝国主義国における再生産=信用構造の総体的解明、インド植民地通貨制度の変遷の検討を踏まえつつ、実証的に解明した労作。
目 次
序 章 国際通貨体制成立に関する諸問題
1 一国金本位制成立の要件
2 国際金本位制の成立
3 イギリス資本主義とインドの植民地支配
4 主要帝国主義国の再生産=信用構造
第1章 「自由貿易帝国主義」の選択
——「商工業不況調査勅命委員会最終報告」分析
1 課 題
2 大不況の展開と勅命委員会の設置
3 多数意見報告
4 少数意見報告
5 オコンナー報告
6 「最終報告」の歴史的地位
第2章 「国際金本位制の成立」
—— ドイツ資本主義とアメリカ資本主義に即して
1 問題の所在
2 ドイツ資本主義と金本位制の確立
3 特殊アメリカ型信用構造と本位制論争の基盤
4 特殊アメリカ型信用構造の危機と金本位制の法定
第3章 イギリス資本主義と複本位制論争
—— 産業資本・金融資本によるインド植民地支配の一側面
1 はじめに
2 複本位制運動展開の歴史的背景
3 前史 —— 1870年代後半のインド為替問題と綿業資本
4 複本位制運動の本格的展開とインドの銀自由鋳造停止
5 インド輸入関税の再導入と本位制論争の最終的高揚
6 本位制論争の決着
7 総括と展望
第4章 主要帝国主義国における再生産=信用構造の諸類型
—— イギリス・フランス・ドイツ帝国主義に即して
1 課題と方法
2 イギリス資本主義の再生産=信用構造
3 フランス資本主義の再生産=信用構造
4 ドイツ資本主義の再生産=信用構造
5 要約 —— 1907年時点における英・仏・独の中央銀行政策の問題点
終 章 1907年恐慌とポンド体制の異種的編成
1 アメリカ
2 イギリス
3 フランス
4 ドイツ
あとがき
図表一覧
事項索引
人名索引