内 容
ダーウィン『種の起原』刊行から150年以上が過ぎた。だが、人間の心や文化を進化の枠組みで考えることは、いまだ容易ではない。人間の行動進化をめぐる諸科学のプログラムを横断的に検討することを通して、「人間とは何か」という問いに新たにアプローチ。
目 次
はじめに
第Ⅰ部 人間行動進化学の研究プログラム
第1章 進化心理学
1 進化心理学の歴史的経緯
2 進化心理学の基本構造とそれへの批判
3 進化心理学批判への応答
4 結 語
第2章 人間行動生態学
1 人間行動生態学の歴史的経緯
2 現在の人間行動生態学
3 進化人類学としての人間行動生態学
4 結 語
第3章 遺伝子と文化の二重継承説
1 二重継承説の基礎
2 二重継承説の検討(1): 模倣バイアスの進化
3 二重継承説の検討(2): 信頼性判断研究による拡張
4 結 語
第Ⅱ部 文化進化研究へのアプローチ
第4章 文化進化のプロセス研究
1 いくつかの準備
2 文化進化のプロセス研究
3 文化進化プロセス研究の今後:
文化進化のプロセスに影響を与えるその他の要因
4 結 語
第5章 文化進化のパターン研究
1 系統学の基礎
2 文化系統学の歴史的経緯
3 方法論的問題
4 結 語
第Ⅲ部 人間行動進化の実例を検討する
第6章 罰の進化
1 概念の整理
2 罰の進化に関する2つの仮説
3 植物や昆虫における罰
4 脊椎動物における罰
5 人間の系統における罰
6 反論への応答
7 結 語
第7章 教育の進化
1 ヒト以外の動物における教育の進化
2 ナチュラル・ペダゴジー説
3 ナチュラル・ペダゴジー説への反論(1): 矛盾する証拠
4 ナチュラル・ペダゴジー説への反論(2): 経験的証拠への批判
5 結 語
おわりに
参考文献
あとがき
図表一覧
索 引
書 評
『現代思想』(2018年4月号、第46巻第6号、評者:吉川浩満氏)
『週刊読書人』(第3120号、2015年12月18日号、評者:横山輝雄氏)