内 容
広範なプロテスタント文化、長期にわたる対仏抗争、海外帝国の膨大な利益が「イギリス国民」の創生にもたらした意味を多彩な文書・図像史料から読み解くとともに、国王、支配階層、諸民族、男性・女性が「イギリス人」へと参画し多層的に再構成されていくあり方を、ニュアンスに富む歴史記述により描き出した話題作。
目 次
謝 辞
はじめに
はじめに
第1章 プロテスタント
連合できない王国
神に選ばれし者の戦い
黄金のイスラエル
信仰の力による統治
第2章 利 益
土地、貿易、戦争と帝国
ジャコバイト主義と忠誠の経済学
国民への投資
すべての代価
第3章 辺 境
新しい境界標
ジョン・ウィルクスとイングリッシュネス
スコットランド人の帝国は可能だったか
イギリス人としての感情のなかのアメリカおよびアメリカ独立革命
第4章 支配者たち
支配層の危機
イギリス支配階級の形成
エリートの文化的再構築
自作自演の英雄たち
第5章 国王陛下
制約つきの王室文化
一味違ったジョージ三世
国王祭典の仕組み
王の多義性とその魔法
第6章 ウーマン・パワー
女性らしさという枷への攻撃
戦争と男女
女性の活動領域の形成
女の居場所は国の中にあり
第7章 マン・パワー
武装する国民
みずから戦うことを望んだのは誰であったのか
なぜ志願したのか —— それぞれの理由
民衆参加の政治学
第8章 勝利だったのか
カトリック解放と国民の分裂
議会改革と国民の妥協
奴隷制と奴隷解放と世論の一致
再定義される国民、定義されない国民
結 論
訳者あとがき
追 補
注
索 引
関連書
『家族の命運』 L.ダヴィドフ,C.ホール 著/山口みどり・梅垣千尋・長谷川貴彦 訳
『戦争国家イギリス』 デービッド・エジャトン 著/坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳
『財政=軍事国家の衝撃』 ジョン・ブリュア 著/大久保桂子 訳
『ジェントルマン資本主義の帝国Ⅰ』 P.J.ケイン,A.G.ホプキンズ 著/竹内幸雄・秋田 茂 訳