内 容
イギリスは果たして衰退したのか? 戦間期における、国際金融・サーヴィスセンターとしてのロンドン・シティの勢力巻き返しとジェントルマン資本主義の力を描き出し、活発な論争を呼び起こした「ジェントルマン資本主義論」の決定版第2巻、待望の邦訳。
目 次
日本語版への序
序
凡 例
第Ⅰ部 序 論
第1章 帝国主義のダイナミズム
—— 第一次世界大戦から脱植民地化への道程
第Ⅱ部 ジェントルマン的秩序
第2章 「絶えざる更新力」
—— サーヴィス、金融、ジェントルマン・エリート 1914-39年
製造業、サーヴィスとイングランド南東部
1914年以降の金融と産業
両大戦期における富と権力
第3章 国際経済の動揺と産業界、シティ
—— 1914-39年
商品貿易
シティと貿易外収支
第4章 ジェントルマン的価値の擁護
—— アメリカ合衆国の挑戦 1914-31年
産業、国家、戦争 1914-21年
アメリカ合衆国のインパクト
金本位制への復帰
金融恐慌 1929-31年
第5章 「金融帝国主義の再生」
—— スターリング圏の起源 1931-9年
金融恐慌と経済的正統主義
金と離れた金融帝国主義
パクス・アメリカーナの到来
第Ⅲ部 広大な世界
第6章 「金融制度の安定をめざして」
—— 自治領 1914-39年
オーストラリアの債務危機
アフリカーナーをしつける
ニュージーランドはあしかせをとる
カナダとスターリング
帝国特恵とイギリス金融
第7章 「植民地化の野望の新しい時代」
—— 南アメリカ 1914-39年
大陸的視点
アルゼンチン
ブラジル
チ リ
南アメリカにおける債務回収とコントロール
第8章 「財政の安定とよい統治」
—— インド 1914-47年
貿易と投資のパターン
インド支配のジェントルマン
第一次世界大戦のインパクト
正常への復帰をめざして 1920年代
経済危機と政治的進展 1930年代
戦争、財政、独立
インドを帝国に引き留める
第9章 熱帯アフリカの「ゲーム」
—— 1914-40年
貿易、財政、経済政策 —— 概観
信託統治と受託者
熱帯アフリカの第一次世界大戦
1920年代の開発とコントロール
正統主義を実施し再評価する 1930年代
限られた資本供給での植民地支配
第10章 「世界で唯一の未開発の市場」
—— 中国 1911-49年
貿易と財政 ——概観
戦略と戦略家
革命、戦争、軍閥 1911-8年
イギリスの影響力を維持する 1920年代
新しいパートナーを育てる 1930年代
1949年にむけて
革命の時代にイギリスの国益をまもる
第Ⅳ部 脱植民地化以後
第11章 シティ、スターリング圏、脱植民地化
ジェントルマン体制の存続
国際経済政策 1939-55年
帝国における戦争と再建
スターリング圏 —— その最終局面 1955-72年
世界的経済変化と帝国の終焉
エピローグ —— 帝国解体後の世界におけるシティ
第12章 結 論
分析の基礎
歴史的議論
より広い文脈の中で
訳者あとがき
関連地図
注
略号表
表一覧
索 引
『ジェントルマン資本主義の帝国』
『ジェントルマン資本主義の帝国Ⅰ』 P.J.ケイン/A.G.ホプキンズ 著 竹内幸雄・秋田 茂 訳
関連書
『戦争国家イギリス』 デービッド・エジャトン 著/坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳
『財政=軍事国家の衝撃』 ジョン・ブリュア 著/大久保桂子 訳
『イギリス現代史 1900-2000』 ピーター・クラーク 著/西沢 保・市橋秀夫・椿 建也・長谷川淳一他 訳