内 容
少子化と高齢化の同時進行、メガリージョンの形成、労働者の越境など —— アジアは今、大変動の真っただ中にある。各国データの徹底分析により急速な変貌を浮き彫りにするとともに、調査の実施方法やこぼれ落ちる問題にも光を当て、東アジアの現在を丸ごと捉える。
執筆者一覧
(執筆順)
末廣 昭 (序章、第1章、第5章、コラム1、コラム2、コラム6、コラム7)
大泉啓一郎 (第1章、終章、コラム3)
木崎 翠 (第2章)
澤田ゆかり (第3章)
川上桃子 (コラム4)
金 炫成 (第4章、コラム5)
鳥居 高 (第6章、コラム7)
増原綾子 (第7章、コラム8)
鈴木有理佳 (第8章、コラム9)
坂田正三 (第9章、コラム10)
小林磨理恵 (第10章)
髙橋昭雄 (コラム11)
土佐美菜実 (コラム12)
目 次
序 章 なぜ、人口センサスなのか?
1 「社会大変動の時代」を迎えた東アジア
2 人口センサスから判明すること、そして、乏しい研究
3 本書のねらいと各章で明らかにしたこと
コラム1 人口構造・家族構造に関する基本用語の解説
第1章 東アジアの人口動態と人口センサス
はじめに
1 人口センサスとは
2 東アジアの社会変動と人口動態 —— 人口爆発から人口減少へ
コラム2 高齢者とは誰を指すのか?
第2章 中 国
—— 人口大国の発展の軌跡と新たな課題
はじめに
1 中国の人口センサス
2 経済成長を支えた人口動態
3 外国人の数の把握
コラム3 中国のメガリージョン
第3章 香 港
—— 少子高齢化に与える「越境者」の衝撃
はじめに
1 香港の人口センサス
2 人口動態と少子化
3 高齢化と外国籍家事ヘルパーの受け入れ
おわりに —— 移動する者と移動しない者
コラム4 台湾の人口センサス
第4章 韓 国
—— 人口の高齢化と高まる長寿リスク
はじめに
1 韓国の人口センサス
2 人口センサスからみる家族構成と高齢者
3 センサス方式の大転換と新たな課題
コラム5 北朝鮮の人口センサス
第5章 タ イ
—— バンコク・メガリージョンの誕生
はじめに
1 タイの人口センサス
2 人口動態とバンコク・メガリージョン
3 人口センサスが捉えた外国人労働者
コラム6 1960年人口センサスと『指導マニュアル』
第6章 マレーシア
—— 崩れゆく民族構成と増える外国籍人口
はじめに
1 マレーシアの人口センサス
2 3つの主要民族の変化
3 もうひとつの「NEP の実績報告書」
おわりに
コラム7 シンガポールの人口センサス —— 民族構成と政府の言語政策
第7章 インドネシア
—— 高齢化と人の移動のダイナミズム
はじめに
1 インドネシアの人口センサス
2 人口センサスからわかる社会の変容 —— 高齢化と人の移動に注目して
3 人口センサスでは捉えきれない海外就労者
コラム8 人口センサスにおける試行錯誤の民族分類
第8章 フィリピン
—— 遠い少子高齢化と越境する労働者
はじめに
1 フィリピンの人口センサス
2 遠い少子高齢化と高学歴な海外就労者
3 越境する労働者
おわりに
コラム9 タガログ語は国民全体の母語にあらず
第9章 ベトナム
——「若者の国」の現在と未来
はじめに
1 ベトナムの人口センサス
2 都市化と人口移動
3 人口センサスの限界と必要性
コラム10 カンボジアの人口センサスと ODA
第10章 東ティモール、ブルネイ
—— 公用語、母語、そして民族問題
はじめに
1 東ティモール —— 国際支援下の統計行政の始動
2 ブルネイ —— 民族と国民の統計化
コラム11 ミャンマー —— 31年ぶりの人口・世帯センサス
終 章 東アジアの社会大変動と日本
はじめに
1 日本の国勢調査
2 人口構造の変化と少子高齢化
3 人口移動とメガリージョン
4 世帯構造の変化と国際人口移動
おわりに —— 人口センサス研究の発展に向けて
コラム12 東アジア人口センサス・コレクション紹介
—— アジア経済研究所図書館から
あとがき
図表一覧
索 引