書籍の内容
ファミリービジネスは遅れた企業形態なのか? アジアやラテンアメリカの経験をふまえ、タイにおける豊富な事例に基づきながら、「進化するファミリービジネス」の論理を明らかにし、グローバル化時代における淘汰・生き残りの分岐点と、今後の行方を示した画期的論考。
書籍の目次
序 章 ファミリービジネス論の課題と論点
はじめに
1 ファミリービジネス論の3つの流れ
2 ファミリービジネスの概念と定義
3 ファミリービジネス論の課題
第Ⅰ部 所有構造と経営体制
第1章 後発工業化論
—— 工業化の「担い手」としてのファミリービジネス
はじめに
1 ファミリービジネス論の視角
2 ファミリービジネスの実態
3 ファミリービジネスの事業多角化
おわりに
第2章 創業・発展・事業の継承
—— 220グループ・所有主家族の実証的研究
はじめに
1 大企業に占めるファミリービジネスの比重
2 220グループ・所有主家族の検出
3 220グループ・所有主家族の特徴と事業展開
4 ファミリービジネスの継承
おわりに
第3章 経営的臨界点
—— 存続、発展、淘汰・生き残りの論理
はじめに
1 「経営的臨界点」仮説
2 企業形態の存続
3 「経営的臨界点」への対応
4 グローバル化・自由化のもとでの再編
おわりに
第4章 経営者と経営体制
—— 創業者一族、内部昇進者、外部リクルート者
はじめに
1 経営者の定義と「トップ経営陣」の分類
2 トップ経営陣の属性とキャリア
3 トップ経営陣の構成(Ⅰ)—— 商業銀行とアグロインダストリー
4 トップ経営陣の構成(Ⅱ)—— 電気通信業と3つのパターン
5 トップ経営陣の構成(Ⅲ)—— 芸能コンテンツ産業
おわりに
第Ⅱ部 歴史的展開と通貨危機後の再編
第5章 ファミリービジネスの歴史的展開
—— 事業基盤、時代環境、政府の政策
はじめに
1 第2次大戦前 —— 血縁的ネットワークと政治的コネクション
2 工業化政策と資本家グループの諸類型
3 経済ブーム・自由化・通貨危機
おわりに
第6章 証券市場改革とコーポレート・ガバナンス
—— 情報開示ベースの企業淘汰システム
はじめに
1 大企業・ファミリービジネスと公開株式会社
2 証券市場の発展と企業の資金調達構造
3 経済危機と証券市場改革
4 証券市場の企業淘汰システムとその実態
5 CPグループの事業再編とCPF社の設立
おわりに
第7章 金融制度改革と商業銀行の再編
—— 金融コングロマリットの崩壊
はじめに
1 通貨・金融危機前後の地場系商業銀行
2 金融コングロマリットの形成と発展
3 経済ブームと非金融コングロマリットの台頭
4 経済危機と金融コングロマリットの崩壊
5 タイ農民銀行の経営改革
おわりに
終 章 ポスト・ファミリービジネス論
はじめに
1 大企業・上場企業とファミリービジネス
2 ファミリービジネスの選択肢
おわりに
付 録 タイのファミリービジネス所有主家族の資料
付表1 220グループ・所有主家族の一覧表(1997年現在)
付表2 220グループ・所有主家族の経済パフォーマンス(1997年現在)
付表3 主要35所有主家族の保有株式の時価総額別順位の推移(1995-2004年)
付表4 主要35所有主家族の保有株式の時価総額の推移(1995-2004年)