書籍の内容
人間性と科学技術への深い理解に基づいて、科学研究の意義とその進むべき道を論じた評論、研究生活の多彩な思い出を綴った随筆、著者が直接かかわってきた戦後物理学を回顧した談論など、幅広い視野を持ち、新しい分野を拓いてきた独創的な物理学者の足跡を示す科学エッセイ集。
書籍の目次
序にかえて (西村 純)
Ⅰ
学界の権威と学問の権威
自然の深さを求めて
軍事科学と自然科学者の悩み
性に合った流儀を選べ
研究課題の選び方
文を忘れた若者
智恵も無料の日本
大学改革の方向
Ⅱ
地球の熱汚染
Feynman 博士の想い出
生殺しにされている物理学
現代科学を切り開く道 (1)
—— 宇宙化学から総合研究機構まで
現代科学を切り開く道 (2)
—— イタリヤの特異点
現代科学を切り開く道 (3)
—— 外国に対するコンプレックス
暗い谷間の研究者
—— 欧米をめぐって
モスクワ日記
宇宙観の発展
Ⅲ
超多時間理論からくりこみ理論へ
朝永理論の生い立ち
新分野の開拓に示された情熱
戦後素粒子論の出発
—— 草創期の大阪市立大学理工学部
湯川・朝永以後の研究者たち
異端の宇宙論は可能か
ガンマ線天文学今昔
早川幸男・略年譜
解説: 偉大な友、早川幸男さんを失って (小田 稔)
書評紹介
『数学セミナー』 (2012年10月号、評者: 上條隆志 氏)