内 容
近世商家から近代日本を代表する資本家へ —— 銀行、物産を事例に、明治初期の資産状況、土地経営や雇用制度など、従来見落とされてきた問題を精査、中上川経営改革への理解を大幅に深化させるとともに、近代的経営組織が創出される過程を鮮やかに描きだした、財閥史研究の画期的成果。
目 次
序 章 課題の限定と本書の構成
第1章 三井銀行の設立とその経営動向
1 問題の所在
2 三井銀行の設立
3 明治10年代の三井銀行
4 小 括
第2章 中上川入行前後の三井銀行
1 問題の所在
2 1890・91年の経営危機と中上川の入行
3 整理の過程
4 小 括
第3章 三井物産の設立とその経営動向
1 問題の所在
2 三井物産の設立
3 滞貸金の発生とその処理
4 合名会社への改組にともなう不良債権の処理
5 小 括
第4章 三井物産の営業活動
—— ロンドン支店を中心に
1 問題の所在
2 三井物産取扱商品の推移
3 ロンドン支店の活動
4 小 括
第5章 三井物産の船舶業務と会計処理
1 問題の所在
2 三池炭の取扱と船舶業務
3 船舶の保有・運航と会計処理
4 船舶運航体制の整備
5 小 括
第6章 不動産経営の動向
1 問題の所在
2 明治前期における不動産の集積と経営
3 明治中期以降の不動産経営
4 小括
第7章 職員の動向
—— 三井銀行を中心に
1 問題の所在
2 三井銀行の設立と雇用関係の再編
3 昇進の実態
4 重役制度の形成
5 小 括
総 括
あとがき
初出一覧
図表一覧
索 引