内 容
オバマケアの挑戦 ——。豊かなはずのアメリカでなぜ国民皆保険の実現が難しいのか。国のあり方と切り結ぶ医療制度の展開を歴史的にたどるとともに、現在のオバマ改革をめぐる動きと葛藤を現地の多様な「声」からヴィヴィッドに捉え、アメリカ政治と医療の行方を展望する力作。
目 次
はじめに
第Ⅰ部 アメリカ医療制度の歴史的発展
第1章 「小さな連邦政府」と医療保険
1 強い国家権力を否定する中で生まれた国家アメリカ
2 「小さな連邦政府」と医療保険(1901-32年)
3 大恐慌と医療保険(1933-41年)
第2章 第二次世界大戦と医療保険
1 戦時体制と医療保険(1941-45年)
2 戦後再建と医療保険(1945-52年)
第3章 民間医療保険の拡大と変容
1 「偉大な社会」と医療保険(1953-68年)
2 「大きな連邦政府」の見直しと医療保険(1969-94年)
3 「1994年革命」と医療保険(1994-2008年)
第Ⅱ部 オバマ改革をめぐる争い
第4章 オバマ改革の形成過程
1 「医療危機」の深化
2 オバマ政権誕生と医療制度改革
3 改革支持の拡大と党派対立の激化
4 「世紀の改革」の中身
第5章 オバマ改革をめぐる論点
1 改革反対派の論点
2 宗教の自由と女性の権利
3 医師の意見
4 世 論
第6章 オバマ改革と最高裁判所
1 アメリカ政治システムの中の最高裁
2 最高裁判決前の争い
3 最高裁の口頭審理
4 最高裁判決
第7章 オバマ改革の本格施行を控えた争い
1 2012年大統領選挙とオバマ改革
2 改革の本格施行直前の争い
あとがき
注
図表一覧
索 引
書 評
『大原社会問題研究所雑誌』(683・684号、2015年9・10月、評者:大原利夫氏)
『アメリカ学会会報』(第185号、2014年7月、評者:岡山裕氏)