内 容
きわだった活力を誇った日本電力業の発展の核心とは何であったのか。電灯会社の創成から今日まで、日本電力業120年の軌跡を余すところなく描きだし、電力自由化後の新たな競争の時代への指針をも示す。膨大な資料群の分析に基づき、経営と組織の役割を見事に捉えた電力産業史研究の決定版。
目 次
序 章 課題と視角
第1章 電力業の創始と電灯会社の時代(1883~1906年)
第1節 市場の創成
第2節 火力中心の供給システムと自家用発電
第3節 都市電灯会社の叢生と技術者の役割
第4節 民間主導体制の成立
第5節 ダイナミズムの発生
第2章 水力開発と競争の時代(1907~1931年)
第1節 市場の第1の急成長
第2節 大規模水力開発と遠距離送電
第3節 5大電力と「電力戦」
第4節 競争による電気料金低下と業界統制構想
第5節 ダイナミズムの奔流
第3章 自主統制の時代(1932~1938年)
第1節 市場の変容
第2節 水火併用方式と地域別供給体制の整備
第3節 1930年代の電力業経営
第4節 業界自主統制の到達点と限界
第5節 ダイナミズムの調整
第4章 電力国家管理の時代(1939~1950年)
第1節 市場の統制
第2節 電力国家管理下の供給体制の問題点
第3節 企業活力の後退
第4節 電気事業再編成
第5節 ダイナミズムの閉塞
第5章 9電力体制の発足と定着(1951~1973年)
第1節 市場の第2の急成長
第2節 急速な電源開発と技術革新
第3節 火主水従化・油主炭従化と電力会社間の競争
第4節 自律的経営の展開と「低廉で安定的な電気供給」
第5節 ダイナミズムの組織化
第6章 9電力体制の変質(1974~1994年)
第1節 市場成長の鈍化
第2節 電源の脱石油化と技術革新の一巡
第3節 原子力開発・立地難対策と行政への接近
第4節 自律的経営の後退と「低廉な電気供給」の終焉
第5節 ダイナミズムの変質
第7章 電力自由化の時代(1995~2000年)
第1節 「市場の復活」
第2節 電源開発の停滞と転機
第3節 市場競争の開始と私企業性の回復
第4節 自律的経営と「低廉な電気供給」の再構築
第5節 ダイナミズムの再生
終 章 総括と展望
あとがき
参照文献
図表一覧
事項索引
企業名・組織名索引
人名索引
書 評
【日本経済新聞】