内 容
『日本浪曼派批判序説』『近代日本政治思想の諸相』等々、戦争体験をバネに、個性的文体と脱領域的知性をもって昭和超国家主義の核心にあるナショナリズムの内在的理解とその超克への道を切り拓いた著者の単行本・著作集未収録の入手困難な論考集成。ナショナリズム再考の必読文献。
目 次
Ⅰ 昭和超国家主義の諸相
プロローグ
原初のテロリスト
自我の神秘(日召の場合)
異端のカリスマ
「神秘的暗殺」
北一輝の場合
青年将校の場合
ユートピアと超国家
予言と超国家
むすび
Ⅱ 昭和維新の論理と心理
プロローグ(第一次大戦と米騒動)
昭和維新の原型
昭和維新の基本的論理(北一輝の思想)
昭和維新の挫折に至る道
Ⅲ 国防国家の理念
国家理念の変容
「陸軍パンフレット」をめぐる思想的対立
石原莞爾の思想(国防論を中心に)
革新官僚の政治理念
Ⅳ 日本ファシズムの思想的特質
外国人の見た日本ファシズム
「昭和維新運動」
国防国家の理念と運動
天皇制国家とファシズムの矛盾
Ⅴ 日本ファシズムの推進力
右翼団体の結成と内外の諸条件
老壮会の人々
猶存社
ファシズムの共鳴盤(中間層の問題)
官僚群の役割
Ⅵ 昭和維新とファッショ的統合の思想
はじめに(国家改造意識の萌芽)
国家改造への始動(老壮会と猶存社)
天皇帰一の改造路線(北一輝と皇道派)
総動員体制への改造路線(永田鉄山と統制派)
コミュニズムと国家社会主義
維新者の諸類型(民間右翼)
総力戦の思想(軍中枢と革新官僚)
おわりに(日本ファシズムの矮小性)
Ⅶ 大川周明
Ⅷ 昭和思想
解 説(筒井清忠)
初出一覧
書 評
【朝日新聞書評】