内 容
両大戦間期イギリスで、戦争、恐慌などの曲折を経て最終的に放棄された金本位制の実態を、イングランド銀行金融政策の精査により解明、今日のマネタリズムにも忍び込む金本位制神話を解体して金融政策の本質に迫るとともに、戦後へと続く戦間期の資本主義史に新たな展望を拓く労作。
目 次
序 章
第1章 1914年恐慌と金本位制下の金貨流通
はじめに
Ⅰ 1914年恐慌の経緯
Ⅱ カレンシー・ノートの発行とその流通増大
Ⅲ 金貨の回収と金貨流通の消滅
小 括
第2章 金本位復帰と金本位制下の為替操作
はじめに —— 両大戦間期再検討の意義
Ⅰ 金本位復帰に至る経緯
Ⅱ 金貨本位制の廃止=金地金本位制への移行としての金本位「復帰」
Ⅲ 金本位復帰の効果
Ⅳ バンク・レート政策から為替操作へ
小 括
第3章 「1928年カレンシー・ノートおよび銀行券法」と金本位制下の通貨管理
はじめに ——「1928年法」検討の意義
Ⅰ 通貨発行統合と屈伸制限制移行に潜む問題
Ⅱ 低額面銀行券と金貨
Ⅲ 保証準備発行額増減規定と金本位制下における通貨管理
小 括
第4章 金本位停止と金本位制の本質
はじめに
Ⅰ 金本位停止の経緯
Ⅱ ポンド危機への政府・イングランド銀行の対応
Ⅲ 金本位停止=放棄下の財政・金融政策
小 括 —— 金本位制とは何だったのか
第5章 為替平衡勘定の創設と内外均衡の遮断
はじめに
Ⅰ 為替平衡勘定創設の経緯
Ⅱ 為替平衡勘定の目的と仕組み
Ⅲ 為替操作の実態
小 括
第6章 金本位放棄後の国際通貨ポンドと為替管理の導入
はじめに
Ⅰ スターリング・ブロックの機能と国際通貨ポンド
Ⅱ 外国為替相場の国際的調整の試みとその破綻
Ⅲ 「1939年カレンシー・ノートおよび銀行券法」と第二次大戦勃発による
為替管理の導入
Ⅳ 国際通貨体制再建構想におけるケインズ案
小 括 —— 国際通貨ポンドの衰退
終 章
あとがき
参考文献
図表一覧
事項索引
人名索引