内 容
生産と消費の間にある空間、時間、価値、情報の隔たりを架橋し、経済厚生を高める流通チャネル。従来の限界を超え、価格-数量競争による新たな分析枠組みを提示、フランチャイズ料制、再販制、テリトリー制、専売店制の理解を一新し、高需要期の低価格などの未解明の謎を解き明かす。
目 次
はしがき
序 章 チャネルの機能とその管理
1 はじめに
2 チャネルの機能と構成員
3 二重マージンとそれへの対応
4 垂直的取引制限: チャネルの調整
5 結 び
Ⅰ チャネル間における価格-数量競争の基礎理論
第1章 価格-数量競争の基本モデル
1 はじめに
2 モデル
3 フランチャイズ料の役割
4 垂直的統合か分離か
5 結 び
補 章 製品差別化
—— 数量競争、価格競争および経済厚生
1 はじめに
2 需要関数と逆需要関数
3 数量競争
4 価格競争
5 結 び
第2章 基本モデルの一般化
1 はじめに
2 小売業者数の選択
3 需要関数の一般化
4 製品差別化
5 結 び
第2章補論 系列関係がない場合
第3章 小売段階の競争と生産者間の競争
1 はじめに
2 生産者および小売業者数が複数のモデル
3 フランチャイズ料を徴収しない場合
4 垂直的統合
5 結 び
第3章補論 小売段階の競争と生産者間の競争: 実証
Ⅱ チャネルにおける費用削減投資
第4章 流通業者による費用削減投資
—— 規模効果、契約のタイミングとフランチャイズ料
1 はじめに
2 モデル1: 契約が先行
3 モデル2: 投資が先行
4 各モデルの均衡値の比較
5 結 び
第5章 高需要期の低価格現象
—— 流通費用削減投資
1 はじめに
2 予備的考察
3 流通業者投資のモデル
4 部分ゲーム完全均衡での投資
5 垂直的統合
6 結 び
第6章 生産者による費用削減投資
1 はじめに
2 生産者投資のモデル
3 部分ゲーム完全均衡での投資
4 結 び
Ⅲ 垂直的取引制限と経路選択
第7章 価格-価格競争
—— 垂直的分離と取引制限
1 はじめに
2 予備的考察: カルテルと垂直的統合
3 垂直的分離
4 ゲームの拡張: フランチャイズ料の役割
5 経路選択
6 再販制とテリトリー制
7 結 び
第8章 上限価格規制(再販制)
1 はじめに
2 再販制分析のためのモデル
3 各取引での部分ゲーム均衡
4 生産者による取引様式の選択
5 取引様式に垂直的統合の選択肢を加えた場合
6 結 び
第9章 テリトリー制
1 はじめに
2 テリトリー制分析のためのモデル
3 フランチャイズ料を徴収する場合
4 フランチャイズ料の徴収とテリトリー制の導入の同時選択
5 結 び
第9章補論 輸送費用と経済厚生
第10章 経路選択
1 はじめに
2 経路選択分析のためのモデル
3 フランチャイズ料を徴収しない場合
4 フランチャイズ料を徴収する場合
5 フランチャイズ料の徴収および経路の選択
6 結 び
Ⅳ チャネル間競争の諸側面
第11章 販売協賛金と経済厚生
1 はじめに
2 販売協賛金分析のためのモデル
3 各状況での部分ゲーム均衡
4 事後的な協賛金
5 協賛金に関する法学的・経済学的議論
6 結 び
第12章 系列調達 vs. 内部調達
—— トヨタ vs. GM
1 はじめに
2 組み立て企業分析のためのモデル
3 内点解の分析
4 端点解と下請法
5 結 び
第13章 直接販売 vs. 間接販売
—— 生産者による小売企業の株の所有
1 はじめに
2 株式取得検討のためのモデル
3 両生産者が間接販売を行う場合
4 結 び
第14章 小売企業の資本構成
—— 有限責任効果と統合効果
1 はじめに
2 債券発行のモデル
3 部分ゲーム完全均衡
4 小売業者の資本構成: 第0段階における選択
5 結 び
終 章 チャネル間競争のメカニズム
—— 総括と展望
1 チャネル間における価格-数量競争
2 費用削減投資
3 垂直的取引制限
4 チャネル間競争の諸側面
5 今後の研究課題
参考文献
索 引