内 容
共和国、戦争と平和、都市、田園、教養、批評、看護など、私たちの思考や実践を可能にするしくみは〈イデア〉なしには正しく働かない。ヨーロッパの文化と社会に含まれる知の核心を歴史の深みから明らかにすることで、自ら律する力を取り出さんとした知的探究の結晶。
目 次
はじめに
第1章 国 家
—— 共和国という言葉に宿るイデアについて
1 共和国とそのイデア(1)—— 古代・中世
2 共和国とそのイデア(2)—— 近世・近代
3 文芸共和国
4 共和国と代表制度
5 共和国と市民社会
終わりに
第2章 自 由
——穏健という言葉の本質について
1 人権宣言と自由
2 モンテスキューにおける自由
3 抑制された政体
4 政治における自由と抑制としての自由
終わりに
第3章 外 交
—— 戦争と平和のヨーロッパ的性格について
1 戦争の理論
2 平和の理論
3 戦争と平和の相関関係
終わりに
第4章 都 市
—— 統一的外観と歴史的文化遺産の保存について
1 都市とその外形
2 都市の中の歴史的文化遺産
終わりに
第5章 自 然
—— 庭の形が教えることについて
1 庭園の歴史
2 フランス式庭園とイギリス式庭園
終わりに
第6章 教 養
—— 図書館における書物の置き方と王子の教育について
1 書物の置き方という観点から見た図書館の歴史
2 古典主義時代の図書館における書物の置き方が意味するもの
3 王子の教育
—— 限定された知によって世界を知るという意味での教養について
終わりに
第7章 批 評
—— 人文科学の確実性、あるいは箇条書きに宿るイデアについて
1 政治家チュルゴの語源学
2 アルス・クリティカ(批評術)
3 批評術と批判哲学 —— 批判という精神の態度について
終わりに
第8章 言 語
—— 怪物的身体とモンスターという言葉について
1 monstre という言葉
2 怪物的身体の系譜
—— 19世紀初めまでに怪物的身体に与えられた様々な意味合いについて
3 怪物性の転換
—— 19世紀に起こったこと、そしておそらく私たちが引き継いでいる
ことについて
終わりに
第9章 歓 待
—— 病院と看護の仕事について
1 看護の仕事とその疎外
2 病院と歓待 —— 迎えることの思想へ
終わりに
あとがき
注
図版出典一覧
索 引