内 容
エリートの専門職業に比して解明が遅れていた非エリート層の職業に焦点をあて、職業資格にもとづいて展開した近代的社会編成の構造と、そこに見られた人々の葛藤を照射、見落とされてきた近代ドイツ社会の「影」の部分をも描き出し、資格社会の新たな全体像を示す。
執筆者
(執筆順)
望田幸男 中野智世
田中洋子 吉岡いずみ
進藤修一 南 直人
丸畠宏太 早島 瑛
服部 伸 山名 淳
吉岡真佐樹
目 次
序 章 近代ドイツ=資格社会の「下方展開」と問題状況 …………………… 望田幸男
第Ⅰ部 近代ドイツ=資格社会の「下方展開」
第1章 大企業における資格制度とその機能 …………………… 田中洋子
第2章 郵政職と資格社会 …………………… 進藤修一
第3章 退役下士官の文官任用制度とその機能 …………………… 丸畠宏太
第4章 治療師の養成・資格制度 …………………… 服部伸
—— ハイルプラクティカー資格への道
第5章 社会的教育の職業化と専門職化への志向 …………………… 吉岡真佐樹
—— 世紀転換期からワイマール期
第Ⅱ部 近代ドイツ=資格社会の周辺と「影」
第6章 社会福祉専門職における資格制度とその機能 …………………… 中野智世
——「資格化」とボランタリズムの間で
第7章 商業教育制度の形成と女性職員運動 …………………… 吉岡いずみ
第8章 ホテル・飲食業における資格化と職業教育 …………………… 南直人
—— 現代からの照射
第9章 カトリック教徒とディプローム・カォフマン …………………… 早島瑛
第10章 資格社会における新教育運動のジレンマ …………………… 山名淳
—— 試験制度をめぐるドイツ田園教育舎の対応を事例として
第11章 資格社会におけるある苦闘物語 …………………… 望田幸男
—— 製パン業者の子から司祭へ
あとがき
書 評
【朝日新聞書評】