内 容
存在の連鎖から進化の観念へ —— ヨーロッパを彩った思想群の壮大な転換を、「自然」やロマン主義」などの観念の基層に降り立って明らかにし、思想史研究に大きな画期をもたらした学際研究の先駆的成果。今なお最も明晰な西洋思想史の古典にして、ラヴジョイ思想史の到達点を示す。
著者紹介
アーサー O.ラヴジョイ
(Arthur O. Lovejoy)
1873-1962。アメリカを代表する哲学者・思想史家。ハーヴァード大学大学院を修了。スタンフォード大学などを経て、1910年から1938年までジョンズ・ホプキンズ大学哲学教授。観念史の方法を提起して学際研究の先駆をなすとともに、アメリカの代表的思想史研究誌 Journal of the History of Ideas の創刊に尽力、哲学・思想史の分野を中心に大きな影響を与えた。主要著書に『存在の大いなる連鎖』『人間本性考』、『進化の胎動』など。
(所属などは本邦訳刊行時のものです。)
目 次
はしがき
編者序
著者序
第1章 観念のヒストリオグラフィー
第2章 『不平等起源論』におけるルソーのいわゆる原始主義について
第3章 モンボドとルソー
第4章 18世紀思想における「プライド」の観念について
第5章 美的規範としての「自然」
第6章 理神論と古典主義の並行関係
第7章 中国文化に起源を持つロマン主義
第8章 第一次ゴシック復興と自然への回帰
第9章 ヘルダーと歴史の啓蒙哲学
第10章 初期ドイツ・ロマン主義における「ロマン的」という意味
第11章 シラーとドイツ・ロマン主義の生成
第12章 ロマン主義の区分について
第13章 コールリッジとカントの2つの世界
第14章 ミルトンと堕落の僥倖の逆説
第15章 聖アンブロシウスの共産思想
第16章 テルトゥリアヌスにおける規範としての「自然」
註
訳者解説
人名・書名索引
事項索引
書 評
【朝日新聞書評】
【読売新聞書評】