書籍の内容
現在の経営史研究は、一方で企業経営史の国際比較へ、他方で国際関係を背景とした企業経営史の研究へとその領域を拡大することによって、貴重な成果をあげつつある。本書は、国際比較・国際関係経営史という新しい方向を一望するべく編まれた待望の論集。
書籍の目次
目次:
第Ⅰ部 経営史における国際比較
第1章 市場と経営組織
――三つの国民経済的類型――(中川敬一郎)
第2章 華人家族企業の国際的特色(楊天溢)
第3章 “Motivation”についての一考察
――人間発見の視点より――(山下幸夫)
第4章 第一次大戦後アメリカにおける産業民主主義をめぐる
二つのエートスの対抗
――専門的管理技術者対「市民的」経営者――(富澤克美)
第5章 計画造船の功罪
――戦後日本海運業の復興に果たしたその役割
一九四八-一九六〇――(後藤伸)
第6章 企業と政府――国際比較研究の提言――(森川英正)
第7章 経営近代化の国際比較
――アメリカの日本研究にみる――(小林正彬)
第Ⅱ部 経営史における国際関係
第8章 戦間期日欧間の技術移転と累積的革新
――東洋レーヨンの事例について――(由井常彦)
第9章 金本位制成立と「東洋経済新報」(杉山和雄)
第10章 NBC呉造船所の設立――真藤恒を中心として――(寺谷武明)
第11章 香港における紡績業の発展
――日本綿業の戦後史との関連において――(大東英祐)
第12章 鮎川義介の産業開拓活動について
――自動車国際化活動を中心に――(宇田川 勝)
第13章 スーパー・マーケット・システムの国際移転と
日本的変容(橘川武郎・高岡美佳)
第14章 デュースブルク-ルールオルト港株式会社の成立過程(渡辺 尚)
第15章 イギリスのコンピュータ産業と国際関係
――一九五〇年代以降――(川田恵三)
第16章 戦間期における日英経済競争(湯沢 威)