書籍の内容
近代市民社会の原理や機構はどのように教えられてきたのか。明治以降の「自然権論を基調とする」公民教育の営みとその逸脱・変容のあり様を、当時の教科書を中心とする膨大な資料に基づいて丹念に描き出し、以て「天皇制家族国家観に立脚する」公民教育のもう一つの流れとの相補的構造を明らかにした労作。教育の現在への示唆に富む。
書籍の目次
目次:
序 章
【第Ⅰ部】明治啓蒙主義と修身教育
第1章 キリスト教的社会実在論とその受容
第2章 功利主義的「自由競争」概念とその受容
第3章 欧米政治・法理論の受容と変容
第4章 修身教授方法としての暗誦主義の形成
第5章 生徒規則における法概念の変容
【第Ⅱ部】 立憲帝国主義と法制及経済
第6章 立憲帝国主義者の公民教育論
第7章 法制及経済の理念とその変容
第8章 法制及経済教科書における「法」と「社会」
【第Ⅲ部】 大正デモクラシーと公民科
第9章 公民科と修身科、法制及経済
第10章 公民科教育論における社会政策論
第11章 公民科教科書における体制的危機識
第12章 郷土教育連盟の理念とその挫折
終 章