書籍の内容
1970年代以降、福祉国家と社会主義の行き詰まりを背景に世界的規模で、市場メカニズムへの信頼をベースにした経済的自由主義の復権が著しい。本書は、ヨーロッパ経済思想のメインストリームである自由主義経済思想の種々相を、現代的観点から多角的・比較史的に考察した注目の論集である。
書籍の目次
目次:
序 章 自由主義の経済思想序説(田中眞晴)
第1章 壊れやすい時計―初期ニュートン主義と政治経済学の形成―(長尾伸一)
第2章 重農主義における自由主義(森岡邦泰)
第3章 先行パラダイムとスミスの経済学―経済的自由主義の形成過程―(田中秀夫)
第4章 市場経済システムと自由―マルクス説を媒体として―(梅沢直樹)
第5章 オーストリアにおける経済的自由主義
―マックス・メンガーの場合―(八木紀一郎)
第6章 マーシャル経済学における進歩と自由(近藤真司)
第7章 J・M・ケインズの政治哲学―バークとケインズ―(斎藤隆子)
第8章 プラグマティズムとアメリカ自由主義―「知性」と「自由」―(山本貴之)
第9章 亡命のロシア自由主義経済学
―ボリス・ブルツクスにおけるソヴェト社会主義―(小島修一)
第10章 自由主義とその基礎づけ―ワルスラとハイエクを中心として―(松島敦茂)
終 章 市場経済のターミノロジー(田中眞晴)