書籍紹介

世界史

モンゴル時代の出版文化

宮 紀子 著

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価格 9,500円
判型 A5判・上製
ページ数 754頁
刊行年月日 2006年
在庫状況 在庫有り
ISBNコード 978-4-8158-0526-5
Cコード C3022


書籍の内容

これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもと づきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだす。


書籍の目次

序 章
    「貨郎図」が語るもの
    元刊本の過小評価
    モンゴルの文化政策
    古典学の再生
    文学と歴史の間

  第Ⅰ部 モンゴル時代の「漢語」資料と絵本の登場

第1章 『孝経直解』の出版とその時代
    1 はじめに
    2 大元ウルスの一大記念文化事業 —— 激動の大徳十一年
    3 『孝経』の伝播 —— カラ・ホト文書から
    4 『孝経直解』の挿絵をめぐって
      1)『孝経直解』の挿絵
      2)趙孟頫と『孝経図』
      3)全相本『孝経直解』の後継
    5 大元ウルスと全相本
      1)上図下文形式
      2)『列女伝』の出自
      3)『図象孝経』と『列女伝図像』
    6 『孝経直解』をめぐる人々
      1)趙孟頫と貫雲石
      2)なぜ『孝経』なのか
    7 おわりに

第2章 鄭鎮孫と『直説通略』
    1 はじめに
    2 『直説通略』の文体
    3 監察御史鄭鎮孫とその周辺
      1)鄭鎮孫と交友関係
      2)大元ウルス治下の監察御史
      3)『直説通略』の出版経緯
    4 『歴代史譜』と『歴代蒙求纂註』
      1)『歴代史譜』と鄭鎮孫の中国史観
      2)『歴代蒙求纂註』と歴代歌
    5 モンゴル時代の通史
    6 『直説通略』の資料ソースと編纂態度
      1)全体の構成
      2)『外紀』との比較
      3)『資治通鑑』との比較
      4)『直説通略』と遼、金、宋史
      5)『直説通略』と『十八史略』
    7 『直説通略』と平話
    8 おわりに

第3章 モンゴル朝廷と『三国志』
    1 はじめに
    2 祠廟の建設と加封
    3 『続後漢書』の出版
    4 『蜀漢本末』の出版
    5 『関王事蹟』の出版
    6 おわりに
    附 モンゴル時代の説唱詞話 —— 花関索と楊文広

第4章 モンゴルが遺した「翻訳」言語
     —— 旧本『老乞大』の発見によせて
    1 はじめに —— 直訳体と漢児言語の研究史
    2 金から大元ウルスにかけての口語漢語
      1)南宋からみた華北の口語漢語
      2)華北からみた口語漢語
    3 直訳体の登場
    4 高麗における直訳体の受容
    5 大明時代の翻訳システム —— モンゴルの遺産Ⅰ
      1)明初期の国書
      2)四夷館の翻訳
    6 李朝の語学教育 —— モンゴルの遺産Ⅱ
      1)高昌偰氏と司訳院
      2)大明国と朝鮮の冷たい外交 —— モノと言語の断絶
      3)モンゴル語教材について
    7 旧本『老乞大』—— むすびにかえて

  第Ⅱ部 大元ウルスの文化政策と出版活動

第5章 大徳十一年「加封孔子制誥」をめぐって
    1 はじめに
    2 加号の経緯
    3 立石の経緯
    4 詔書の日付
    5 おわりに

第6章 『廟学典礼』箚記
    1 はじめに
    2 編纂者について
      1)『歴代崇儒廟学典礼本末』
      2)『聖朝通制孔子廟祀』
    3 『廟学典礼』の挿絵
    4 おわりに

第7章 程復心『四書章図』出版始末攷
     —— 江南文人の保挙
    1 はじめに
    2 儒学提挙司と粛政廉訪司 —— 文書その1
    3 翰林院の審査 —— 文書その2
    4 江南文人の保挙 —— 文書その3
    5 趙孟頫の貢献 —— 文書その4
    6 程復心とその周辺
    7 宮廷文人の対立 —— 李孟の実像
    8 出版とその後

第8章 「対策」の対策 —— 科挙と出版
    1 はじめに
    2 「対策」の王道 —— 江南文人をつくるもの
     2-1 まずは読む
      1)『分年日程』
      2)『学範』ほか諸説
     2-2 文体の習得
      1)『分年日程』
      2)『学範』ほか諸説
    3 現実の「対策」—— 模範答案に学ぶ
      1)『三場文選』
      2)『太平金鏡策』附『答策秘訣』
    4 対策の現実 ——『丹墀独対』に見る政書の流通と受容
      1)『丹墀独対』簡介
      2)呉黼の書架
      3)『大元通制』再考
      4)受験生の「時務」常識
    5 むすびにかえて

  第Ⅲ部 地図からみたモンゴル時代

第9章 「混一彊理歴代国都之図」への道
     —— 14世紀四明地方の「知」の行方
    1 はじめに
    2 清濬と李沢民
     2-1 「混一彊理図」と清濬
      1)『水東日記』の諸版本
      2)新発現の「広輪疆理図」
      3)清濬とその周辺
     2-2 「声教広被図」と李沢民
      1)『広輿図』と「大明混一図」にみる原像
      2)新出資料「声教被化図」をめぐって
    3 四明文人の地理知識 —— 時空を越えて
     3-1 大元ウルス治下の地図と地誌
      1)モンゴル朝廷の記念事業 —— あらたな「世界」の誇示
      2)朱思本「輿地図」の位置
      3)私家版『一統志』
      4)歴代の地理の沿革を知るために
      5)空間と時間の混一
     3-2 類書の中の地図と地誌
      1)胡三省のネタ本
      2)『事林広記』の正体
      3)混一直後の地理情報
      4)最新情報の導入 ——「混一彊理歴代国都之図」との連動
      5)類書の構造と性格
      6)『事林広記』の享受者たち
      7)明朝廷の哀しき「勘違い」
    4 慶元 —— 中国・朝鮮・日本を結ぶ「知」の港
      1)朝鮮半島の脅威
      2)補陁洛迦信仰の流行
      3)出版から見た文化交流
    5 「混一彊理歴代国都之図」の誕生とその後
      1)四明から朝鮮へ —— 2枚の地図は誰のもの?
      2)天と地と
      3)なぜ1402年だったのか
      4)朝鮮王朝の執念
      5)朝鮮から日本へ —— 鍵は本妙寺にあり

終 章
    王振鵬のみた大都
    王族と絵本
    歴史資料としての陶磁器
    朱元璋の息子たち
    東アジア史の大元

 あとがき
 初出一覧
 人名索引
 図書索引


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