2006年度以前の書評

『パセオフラメンコ』 [2007年3月号、第273号] から(評者:佐藤奈津子氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『パセオフラメンコ』(2006年5月号、第594号、パセオ)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 読み終わる頃には、中世ヨーロッパに対して異なるイメージを持つことになる。忽然と湧いた文化は、スペインの艶やかな独自性を形成するだけでなく、後のヨーロッパの知的根源ともなった。大音楽家ズィルヤーブがバクダッドを後にし、コルドバを終の棲家としたのもその頃である。さまざまな影響を受けつつフラメンコ音楽の下地が形を見せ始める時期であることも読み取れよう。アンダルシアの歴史の底知れぬ魅力に興奮することは間違いない。”(『パセオフラメンコ』2007年3月号、p.93)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


『歴史と地理』 [2006年5月号、第594号] から(評者:塚原直人氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『歴史と地理』(2006年5月号、第594号、山川出版社)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 本書を読むと、レコンキスタを、ステレオタイプなイスラームとキリスト教徒の対立抗争とみることの愚かしさを感じさせられる。トレードを「奪還」したカスティーリャ人が建てたサン・ロマン教会はアラビア語の碑文で装飾され、彼らのイスラーム文化への敬意を具現している。一方、彼らキリスト教徒は、アラビア語で聖体拝領を行う独自な伝統を保持していたが、西欧世界との接触のなかで勢力を浸透させてきたクリュニーの典礼改革と緊張関係を続けることになる。そのクリュニー修道院長ピエールは、12世紀半ば、アラビア語文献の翻訳者を求めてアンダルスを訪れている。彼はムスリムとユダヤ人を「啓典の民」と認識し、十字軍に反対していたのであった。そして1492年1月2日、アルハンブラの占領に向かったカトリック両王が纏っていたのは、最上級のモーロ風の衣服であった。やがてムスリムとユダヤ人を追放することになる二人もまた、「寛容の文化」の末裔なのであった。
2001年9月11日後の、不寛容と不寛容がぶつかり合う世界をみるとき、本書の持つきわめて今日的なメッセージをどう受けとめていくのか考える必要があろう。”(『歴史と地理』2006年5月号、p.63)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


『歴史と地理』 [2006年5月号、第594号] から(評者:高津孝氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『歴史と地理』(2006年5月号、第594号、山川出版社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 本書で最も精彩を放っているのが、明代の部分で、学術史の展開と出版史の相関関係を論じて圧巻である。どのような書物も単に出版されたのではなく、ある社会的、文化的要請のもとに出版された。著者は、それを朱子学の自己展開としての明代思想の動向を論じつつ、具体的に叙述している。…… 中国思想史のダイナミックな自己展開のなかに、中国出版史の動向が位置づけられ、鮮やかである。……”(『歴史と地理』2006年5月号、pp.36-37)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『史学雑誌』 [2006年4月号、第115編第4号] から(評者:黒田祐我氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『史学雑誌』(2006年4月号、第115編第4号、史学会)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 著者の専門である文学や詩歌をめぐる主張は、説得力と気迫に満ち満ちており、読者の心を揺さぶらずにはおかない。中世スペイン史研究者以外にはあまり知られていない刺激的な逸話を盛り込みつつ、西洋史とイスラーム史の橋渡しとしての役割をも巧みに果たしている。そして本書の最大の特色は全編を通じての表現の卓越さにある。その意味で原文の躍動感を全く損なわず、いやむしろより流麗ですらある文章に昇華させた訳者の力量に驚嘆するほかない。読書を楽しみつつも、ある人は有益な教訓を、ある人は賛否いずれにせよ議論の題材もしくは出発点を本書に見出すことであろう。”(『史学雑誌』2006年4月号、pp.123-124)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


『出版ニュース』 [2005年11月上旬号] から

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『出版ニュース』(2005年11月上旬号)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… アメリカで出版されると宗教対立が渦巻く国際情勢を解決し、異文化共存のあり方を探る書として大きな話題を集めたという。”(『出版ニュース』2005年11月上旬号、p.22)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


読売新聞 [2005年11月6日付] から(評者:池内恵氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、「読売新聞」(2005年11月6日付)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… アンダルスは失われてなお(失われたからこそ?)欧米の人文主義的知識人の間で憧憬と哀惜の念を込めて振り返られてきた。本書にはアンダルス追想のエッセンスが凝縮されている。近年に欧米の知識人サークルでイスラーム世界との知的交流を図る際には「新しいアンダルスの創設」が合言葉のようになっている。アラブ諸国でも近代派・親西欧派知識人の間には、アンダルスの知的系譜にこそイスラーム文明の中から近代化を達成する萌芽があったはずだ、と思想史を読み替えていく動きがある。著者は知的好奇心と文学的興趣に応えるだけでなく、異なる価値規範を奉じた人間集団の間に共存の道を見出すという現代の国際政治の最重要課題にも提言を図っている。”(「読売新聞」2005年11月6日付、第12面から)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


毎日新聞 [2005年10月9日付] から(評者:富山太佳夫氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、「毎日新聞」(2005年10月9日付)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 当然と言うべきなのか、それとも歴史の教訓とはこういうものと納得すべきなのか、中世のアンダルスの歴史のうちに、アメリカ帝国が世界にのさばるわれわれの時代の直面する難問を解決しようともがいたひとつの例がすけて見てるような気さえしてくる。
「ムスリムは、現代の世俗的なヨーロッパ諸国家に統合されうるだろうか。原理主義的なキリスト教徒は、彼らの子供たちを信仰の教育と同じく理性の教育に、聖書上の真実と同じく進化論的な諸理論に触れさせるべきだろうか。カトリックのクロアチア人、正教のセルビア人、ムスリムのボスニア人はバルカン半島で共存できるだろうか。寛容と不寛容はどうしたら並び立つことができるだろうか」。アメリカの研究者マリア・ロサ・メノカルはそうした問題意識を抱えながら、さらには9・11以降の情勢をにらみながら、この本を書いている。
だからこそ、この本は生き生きとしているのだ。歴史の細部がそれ本来のかがやきを取り戻すのだ。アラビア語の書物の焚書を命じ、「最も圧政的な異端審問の時代」を演出したカルロス一世をめぐるエピソードにしても、その一例としてよいだろう。…… それだけではない。著者はアンダルスに形成された寛容の文化をふまえて、ボッカチオの『デカメロン』を、セルバンテスを、さらには現代の小説家ルシュディまでも読み直してみせる。『ドン・キホーテ』の背後にある歴史のある部分がこんなにも鮮やかに浮上してくるとは、まったくの予想外であった。”(「毎日新聞」2005年10月9日付、第9面から)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


日本経済新聞 [2005年2月13日付] から

カラヴァッジョ
聖性とヴィジョン

カラヴァッジョ

宮下規久朗著『カラヴァッジョ』が、「日本経済新聞」(2005年2月13日付)で紹介されました。血と暴力に彩られた破滅的な生涯を送りながら、深い精神性と宗教性をたたえた作品によって時代を越えて人々の心を打つカラヴァッジョ。本書は、反宗教改革期イタリアの精神風土のなか、幻視のリアリズムを実現した「呪われた画家」の芸術の本質に迫る、わが国初の本格的著作です。

“…… 著者の立場は …… 画家の人生と作品を直線的に結びつける心理的、情緒的な解釈に偏ってはならないとする点にあり、例えば、切られた首と自画像を二重写しにした先例を取り上げ、画像の面から分析する論は「呪われた画家」といったレッテルだけでは理解できない一面を明らかにする。そうした客観的な視点からこの画家をめぐる諸問題を縦横に論じている。専門的な方法を駆使し、歴史的な細部に分け入る研究書だが、一方で、作品の宗教性、精神性と無頼の生き方との不思議な矛盾そのものが今日的な関心を引き寄せるのも本書の魅力だ。”(「日本経済新聞」2005年2月13日付、第24面から)

宮下規久朗 著
価格 4,800円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0499-2 C3071
在庫有り


読売新聞 [2005年1月30日付] から(評者:三浦篤氏)

カラヴァッジョ
聖性とヴィジョン

カラヴァッジョ

宮下規久朗著『カラヴァッジョ』が、「読売新聞」(2005年1月30日付)で紹介されました。血と暴力に彩られた破滅的な生涯を送りながら、深い精神性と宗教性をたたえた作品によって時代を越えて人々の心を打つカラヴァッジョ。本書は、反宗教改革期イタリアの精神風土のなか、幻視のリアリズムを実現した「呪われた画家」の芸術の本質に迫る、わが国初の本格的著作です。

“……「聖性とヴィジョン」という副題が示すように、本書はこの画家にとって最も重要な宗教画の在り方を真っ向から論じている。迫真的な現実表現で目を惹きつけながら深い精神性を喚起する絵画。リアルな幻視を通して真摯な宗教感情を呼び起こす、その画面の魅力と力が浮き彫りになる。
 同時代絵画との丹念な比較検討から、カラヴァッジョの特異性を指摘する作品分析は、美術史学の方法論の模範的な適用と言えよう。制作年代やコピー・レプリカなど微妙な問題に触れ、人物の身ぶり、絵の設置場所、晩年の作品に関しても卓見を示す。
 カラヴァッジョに関する本格的な研究書としては日本初。長年、研鑽を積み重ねた筆者の愛着や思い入れが伝わってくる。”(「読売新聞」2005年1月30日付、第13面から)

宮下規久朗 著
価格 4,800円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0499-2 C3071
在庫有り


中日新聞 [2003年9月14日付] から(評者:柏木博氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「中日新聞」(2003年9月14日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


朝日新聞 [2003年2月9日付] から(評者:津野海太郎氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「朝日新聞」(2003年2月9日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


読売新聞 [2002年12月22日付] から(評者:氏家幹人氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「読売新聞」(2002年12月22日付)読書欄の特集「2002年 私のベスト3」で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『歴史と地理』 [2002年11月号、第559号] から(評者:岡田健氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『歴史と地理』(2002年11月号、第559号、山川出版社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 帯に大書してあるように「書物の中国史 —— 書籍の成立から印刷本誕生をへて一般に普及するまでの、…… 出版の諸相に光をあてるとともに、知や社会との関係に注目し、全体像を描きだす」ことを目的とした、管見の限り他に例のない、上質の教養書である。従って内容の多くが初めて目にすることで、頁をめくるたびに新鮮な驚きをおぼえた。……”(『歴史と地理』2002年11月号、p.51)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『學鐙』 [2002年7月号、第99巻第7号] から(評者:井波律子氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『學鐙』(2002年7月号、第99巻第7号、丸善)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 総じて、前出版文化史ともいうべき本書の前編では、思想家たちを担い手とする戦国末と貴族階層を担い手とする魏晋南北朝をピークとして、フィードバックの時期をさしはさみながら、じりじりと書籍世界の様相が変化するさまが、簡にして要を得た筆致でみごとに描きあげられている。また、本編では近世的士大夫が出現した宋代を皮切りに、これまた停滞期をさしはさみながら、明末に出版文化が爆発的発展を遂げ、「伝統文化の臨界点」まで達するもようが、まことにスリリングにたどられる。こうして出版と文化の相関関係が浮き彫りにされるさまは、まことにダイナミックであり、脱帽するほかない。……”(『學鐙』2002年7月号、p.41)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


読売新聞 [2002年3月10日付] から(評者:氏家幹人氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「読売新聞」(2002年3月10日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“春秋戦国から明朝末期まで、二千年以上にわたる歴史のなかで、さまざまな書物が生まれ「知の風景」が変化する様子を、著者は、多彩な史料に逸話を挿みながら興味深く描き出している。宮廷や個人の蔵書数、書物の収集や出版に要した費用などが具体的に示され、書店経営が成立し、版権の意識が生まれる過程も紹介される。社会や経済状況の変化が出版物の質と量に影響を及ぼし、学術や思想の風潮と相まって新たな時代の文化を生み出していく姿を、実証的にかつ活き活きと叙述しているのである。…… 出版物の需給関係と流通の歴史を通して辿る壮大な文化史。とりわけ興味をそそられたのは、中国の出版文化に科挙の制度が多大の貢献を果たした事実だ。支配層の地位を得ようと刻苦勉学する膨大な数の受験生を対象に「はじめての受験」とか「解答の秘訣」「頻出問題徹底解説」とでも訳せる受験マニュアルや模範解答集が大量に出版され、書店や出版業が飛躍的に発展したというのである。出版物の需要を増し読者層を広げる受験の力。出版業界と受験の親密な関係には長い歴史があったのだと、あらためて感心させられる。”(「読売新聞」2002年3月10日付から)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『出版ニュース』 [2002年3月下旬号] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『出版ニュース』(2002年3月下旬号、出版ニュース社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『月刊 中国図書』 [2002年3月号、第14巻第3号] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『月刊 中国図書』(2002年3月号、第14巻第3号、内山書店)の「今月の本棚」で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


京都新聞[02/3/3(日)]読書欄から(評者:稲賀繁美 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、京都新聞(2002/3/3付)の読書欄にて紹介されました。
 「千年をさかのぼる過去の人物の書であっても、揮毫の筆触は残る。その力動相の変容を追跡すれば、書する知識人の意識と下意識の歴史的展開は明らかにできる。これが『中國書史』に続く、著者の基本姿勢だ。かくて書は政治や文学よりも直截に精神史を解き明かすかぎとなる。
  書は文字を媒体として言葉に形を授け、文字や言葉の生成変容を促す。だが逆に言葉と文字なくしては、書は現象しえない。この相互依存は、思考と文字とを切断する構造主義言語学への根本的批判とも映る。だがフラマリオン書店の近著『エクリチュールの歴史』は、表意文字の支持体の議論の出発点とし、石川の方法論に同意する。……(中略)……
……『日本書史』の描く列島の文字体験は、自律的展開の欠如によって特徴づけられる。中国文化圏の周辺に位置し、石を刻む篆刻を知らぬまま、いきなり楷・行・草の毛筆書史に「途中乗車」した。そして近代は、知識人の書の喪失とともに「途中下車」の終局を迎える。その間十三世紀の転変を、本文七十七章は縦横に図示・細説する。……(中略)……
編集者、橘宗吾の跋文も秀抜。」(稲賀繁美 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


毎日新聞[02/2/3(日)]読書欄から(評者:三浦雅士 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、毎日新聞(2002/2/3付)の読書欄にて紹介されました。
 「文字通りの大著。……(中略)……門外漢にはちょっと手が出せないようだが、さにあらず。小説のように面白く読みやすい。……(中略)……迫力ある図版の説明を拾い読みしてゆくだけでも、ああそうかと思わせられることしばしば。
  書とは何か。「いきなり結論を述べれば」と著者はのっけから言う、「文字中心言語・東アジアにおける書は、声中心言語・ヨーロッパにおける音楽に相当する」と。書は美術じゃない、音楽だというこの第一声は凄い。「日本全国、ギャラリーや美術館で連日書道展が開かれていることから、書は美術のようなものと考えられているが、書は『言葉を書く』ところに成立する表現であり、決して美術ではなく、むしろ文学のように読み、味わうものである」。……(中略)……
  著者が一貫して論じるのは「筆触」だが、「書は音楽」という思想を象徴している。敷衍すれば「書は舞踊」。書は何よりもまず身体の技であり、精神と身体の出会う場なのだ。書の歴史が、精神の歴史であるとともに身体の歴史であることが腑に落ちてくる。類いまれな日本文化史である所以だ。」(三浦雅士 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


中日新聞 [2002年2月2日付、夕刊] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「中日新聞」(2002年2月2日付、夕刊)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


週刊読書人[02/1/18(日)]読書欄から(評者:吉本隆明 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、週刊読書人(2002/1/18付)の読書欄にて紹介されました。
 「この本は、日本の書の移り変わりについて、古代から近代に至る道行きを書としての表現の歴史に則して解明してみせた画期的な著書だと思う。わたしが画期的だと言う意味はほかでもない。この本がはじめて書家であり、その上書の理論家でなければなしえない表現技術からする書の歴史的な移り変わりを展開しているからだ。……(中略)……
  石川九楊が書の技術的な実相に迫るため創りだしている新しい概念は、筆触・筆尖の立て方と押圧角度(スタイル)で、右肩上りと左下りなど、実作者としての微細な見識に基いていて、ただの鑑賞者に過ぎないわたしにまるで実際の書の文字を前において、ここはこの書家がこんな心理状態にあったからこんな風に上げるべきところが下がっていたり、水平であるべき線が極端に右肩上りになるのだと言った説明を受けているような如実感をおぼえ、ただ驚嘆する外なかった。こういう書の技術的な表現心理の分析が成立しているのは、文芸批評の分野だけで、書論としても、芸術論としても始めて書史について成就された著書で、画期的なものだと思った。……」(吉本隆明 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


讀賣新聞[01/11/25(日)]読書欄から(評者:松浦寿輝 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、讀賣新聞(2001/11/25付)の読書欄にて紹介されました。
 「……石川九楊は、書というものの持つこうした恐ろしさと美しさとを、門外漢の私たちに初めて手に取るようにわかりやすく教えてくれた、画期的な文章家である。実作者としての経験の蓄積と卓抜な批評眼に裏づけられた石川氏の、目の覚めるような「読み」を通じて、「筆毫の尖端が紙と接触し、摩擦し、離脱する劇」がまざまざと甦り、その現場に立ち会わせてくれるのだ。
  ……既刊の『中國書史』の後を受けたこの大部の労作は、中国の書の流れに「途中乗車」し「途中下車」したわが国の書史の特異な運命を、卑下もなく驕りもなく克明に辿り返してゆく。輸入した漢字とみずから発明した仮名の二重性によって成り立っている日本語の特異な書字システムが、中国から離脱し、独自の近代化を志向してゆく困苦に満ちた道程。それが本書の膨大な記述のうねりの中から、巨大な文化史のドラマとして立ち上がってくるさまは、まことに壮観と言うほかない。……」(松浦寿輝 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


日本経済新聞[01/11/4(日)]「アート」から

日本書史

日本書史

『日本書史』の著者・石川九楊先生が、日本経済新聞(2001/11/04付)の「アート」にて紹介されました。

 「……書家であり評論家。創作者が、なぜ評論までするのか。「書は理解されていない。要するにインフラ(基盤)整備やね」。軽くいなしながら、書を理解するにはその歴史を知ることが不可欠と力を込めた。……(中略)……
  既存の観念に照らすと石川氏の書は奇怪に見える。太い線、細い線、引っかき傷のような線や点が紙面全体にちりばめられ、一見すると絵画だ。啓示を受けたのは明治の政治家、副島種臣の書だった。
  それは中国・清代に、西洋文化と中国文化がぶつかり合う中から生まれた書方を原原形とする。筆先が微動し、字画は紙の奥に向かって亀裂を生じたような表情を見せる。ひび割れた時代の姿である。
 時代そのものを表現する書。そのために創作と評論が密接な関係を持ち、常に批判にさらされる緊張状態に自らを置く。石川氏にとって書と評論はこの先も、「車の両輪」である。」

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


産經新聞[01/10/14(日)]読書欄から(評者:高橋 亨 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、産經新聞(01/10/14付)の読書欄にて紹介されました。

  「石川九楊はもっとも根源的(ラディカル)な書家であり、『中国書史』に続くこの大著をものした理論家であり、批評家である。現代文明に対する思索の眼によって、書と文字の根源から革命を挑発し続けている。
  東アジアの漢字文明圏において、書はかつて文明の根源であった。日本書史とは「途中乗車し、途中下車した書史」であり、自律的展開を欠く中に「和様と唐様という異質な二重複線の書史が生じ」たという限界ははじめに示される。これは、中国の書の根源にある「天」の思想を欠くために、革命がないまま万世一系の流儀に堕してしまう日本文化への批判の表明である。
  しかしながら、「小さく、ささやか」で「いささか歪んだ」日本書史における美の達成もまた、情熱をこめて解読されている。具体的な作例に即して、その微妙な「筆触」(書きぶり)の特性を解読した「漢委奴国王」の金印から貫名海屋まで全七十七章の記述を豊富な図版とともに読むことは楽しい。「書く」とは「掻く」こと刻むことだという原理から、書の速度と深度と力、そして筆の角度文字の構成による差異が説明されている。
  空海・嵯峨天皇・橘逸勢の三筆たるゆえんが、「奇怪な雑書体」にあり、そこに内包された「中国への異和」が「和様」へと展開していくという読みをはじめ、既成の常識や権威にとらわれない批評は、挑発性にあふれスリルに満ちている。
  本書であらためて確認された「和様」の最高の達成が「女手」(平仮名)である。その「女手」の生成が『古今集』をはじめとする和歌の伝統を形成し、『源氏物語』を生んだのであった。そこでは「和様」化に潜在する「漢」との緊張関係が重要である。石川の論は平安朝文学史と重なりつつも多くの差異がある。石川のいう「漢語の裏側に和語を貼りつけた二重複線言語」としての日本語の可能性をふまえて文学史や文化史を再検討していくことが、私にとっての課題である。」(高橋 亨 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り

年度別書評一覧

近刊案内

2019年10月29日出来予定

郵政民営化の政治経済学

伊藤真利子著
A5判・上製・360頁
価格  5,400円
ISBN 978-4-8158-0968-3
Cコード 3033

近刊書籍の予約を受け付けております。予約をご希望の方は、上の「予約の受付ページへ」をクリックして受付ページへリンクしていただき、そこでご予約の手続きをお願いいたします。刊行次第、商品を発送いたします。

重版案内

2019年8月29日出来

近代世界システムⅣ

I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
A5判・上製・432頁
価格  4,800円
ISBN 978-4-8158-0746-7
Cコード 3022

2019年8月23日出来

「満洲」の成立

安冨 歩・深尾葉子 編
A5判・上製・586頁
価格  7,400円
ISBN 978-4-8158-0623-1
Cコード 3022

購入について

書籍を購入される方は以下の注文受付ページから必要事項をご記入の上ご注文下さい。

また、個別の書籍紹介ページ上からもご購入いただけます。ご購入に関する詳細については、下の「購入についての説明」をクリックして、説明をご覧ください。

その他の書籍購入方法

小会刊行の書籍は以下のオンラインショップでも取り扱っております。

お問い合わせ

書籍に関するお問い合わせ、その他のお問い合わせについては、下記のお問い合わせフォームよりお願いいたします。電話でのお問い合わせも受け付けております。

TEL:052-781-5027

FAX:052-781-0697


ページの先頭へ戻る