中日新聞(2011/2/1付) 「この人」より
中日新聞(2011/2/1付)「この人」より:
『中国返還後の香港』の著者・
倉田徹先生のインタヴュー記事
中日新聞(2011/2/1付) 「この人」欄において、『中国返還後の香港』 (第32回サントリー学芸賞受賞作)の著者である倉田徹先生のインタヴュー記事が掲載されました。
「人権が抑圧されている中国と、その一部でありながら言論や政治活動の自由を謳歌する香港。ギャップの背景についての研究を『中国返還後の香港』にまとめ第32回サントリー学芸賞に輝いた。
東京大4年だった1997年、香港が英国から中国に返還された。「中国にのみ込まれ、香港も終わりだ」。危惧する人々の中に自分もいた。だが中国は「一国二制度」を選び、自由な社会は保たれる。社会主義の中国に資本主義が併存する現象への興味が7年を超す執筆の原動力となった。
航空会社で働く父に連れられ、5歳のころ初めて香港を訪れた。「外国なのに金髪、英語でなく、漢字を使っているのが面白い」。中学3年で中国語の勉強を始め、2003年から外務省の専門調査員として3年間滞在。得意の広東語で文献に当たり研究を深めた。
劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞式の日、中国政府への抗議集会が開かれた香港。「この異質さが中国に与えるインパクトは長期的にみて大きい。中国は今後、どう変わっていくのか」。次の研究課題だ。趣味はカラオケ。香港での大会で優勝経験も。……」(文 : 高橋伸輔 氏)