書籍の内容
糖尿病の本態を捉えるためには、血糖値の 「平均」 だけではなく、変動する血糖値自体に目を向けることが必須である。本書は、糖質制限食やカーボカウントなど近年注目の話題に考察を加えつつ、薬物療法に偏らない総合的な糖尿病治療を目指す確かな一冊。医師・看護師・栄養士必読。
書籍の目次
第1章 血糖変動 —— エネルギー代謝とホルモンの視点から
1 生体のエネルギー源
2 血糖値の恒常性
3 食後血糖値上昇抑制のしくみ
4 糖質摂取と身体活動と血糖変動
第2章 血糖コントロールが良好とは
1 Alcだけで評価してよいのか
2 食後の高血糖が大血管症のリスク要因である
3 低血糖の回避が重要
4 血糖コントロールの目標値
第3章 目標血糖値とAlc
1 血糖値をマークするポイント
2 ヘモグロビンAlcの意義
3 「コモンモデル」 を利用する
第4章 体重について
1 エネルギー摂取量計算の問題点
2 肥満について
3 食 欲
4 目標体重
第5章 糖尿病と運動
1 運動の有用性とそのしくみ
2 運動の効果の実際: どれくらい血糖値は下がるのか
3 「運動」 とNEAT
4 運動の効果の限界、問題点
第6章 血糖コントロールのしくみ
第7章 糖尿病のくすり (血糖降下薬)
1 起床時血糖値を下げるか食後血糖値を下げるか
2 基礎分泌を補充するインスリン注射
3 スルホニル尿素剤 (SU薬)
4 チアゾリジンとビグアナイド
5 食後血糖値を抑える薬
6 過食に勝てる血糖降下薬はない
第8章 「マッチング」 ということ
1 「マッチング」 は軽視されている
2 食事糖質と身体活動のマッチング
3 速効性血糖降下薬を加えたマッチング
4 血糖値を上昇させる物質 「カーボ」
5 カロリー分配の問題
第9章 食事療法の基本原則
第10章 糖質、脂質、蛋白質
1 糖 質
2 脂 質
3 蛋白質
第11章 糖質と脂質ではどちらが問題か
1 糖質と脂肪のカロリー比率の問題
2 米国糖尿病学会の食事勧告の変遷
3 脂肪と糖質、どちらが太りやすいか
4 食べ物に含まれる脂肪 (油脂) について
5 むしろ糖質が問題だ
第12章 糖質を制限する
1 「糖質制限」 の目標値
2 私の考える 「糖質制限食」
3 なぜ、日本人の2型糖尿病が急増したのか
終 章 「血糖コントロール法」 の総括、そして基本の原理を振り返る