書籍の内容
人口の4人に1人が高齢者という、未曾有の超高齢社会をわが国は迎えようとしている。本書は、高齢者の心理・行動と、その生活を支える制度・政策の2つの視点から、来るべき社会を概観し、そこで実り豊かに生きるための具体的な指針を提供する。
書籍の目次
Ⅰ 超高齢社会を考える基礎
Ⅰ-1 超高齢社会の到来
1 超高齢社会とは / 2 超高齢社会の必然 / 3 悪夢 / 4 悪夢を超えて /
5 しかし、時間がない / 6 エイジズムという偏見 / 7 コストを少なくする / 8
悪夢のマネジメント
Ⅰ-2 エイジングについて —— 加齢現象とは
1 エイジングとは何か —— 純粋な年齢効果をどのように抽出するか / 2 エイ
ジング研究の方法 / 3 生理的エイジング / 4 心理的エイジング / 5 おわ
りに
Ⅰ-3 人口について —— 超高齢化とは
1 はじめに / 2 超高齢化の動向 / 3 超高齢化の人口学的要因・帰結 / 4
超高齢化対策としての人口政策 / 5 おわりに —— 地球規模での対策
Ⅰ-4 豊かなのか、貧しいのか —— 高齢者の経済状況
1 はじめに / 2 家族関係の変化 —— 三世代世帯の減少と単身世帯の増加
/ 3 高齢者の所得・資産 / 4 経済状況に呼応する環境の変化 / 5 今後の
展望
Ⅱ 社会・心理・行動
Ⅱ-1 エイジズムへの挑戦
1 はじめに / 2 教科書の中のエイジズム / 3 介護の中のエイジズム ——
高齢者虐待 / 4 エイジズムからプロダクティブ・エイジングへ / 5 おわりに
Ⅱ-2 高齢者から家族と地域を考えなおす
1 はじめに / 2 客体から主体としての高齢者へ / 3 高齢者の新しい暮らし
方 —— ニュータウンの事例から / 4 超高齢社会の家族と地域のゆくえ
Ⅱ-3 より積極的に生きる —— 仕事とその設計
1 就労における高齢者の課題 / 2 職務再設計 / 3 高齢者就労のための能
力開発 / 4 高齢者就労の実例 / 5 高齢者就労の課題とその解決方法
Ⅱ-4 心身の病理と向き合う
1 高齢期のさまざまな喪失と対処行動 / 2 高齢期の心身の病理への受け止
め / 3 心身の病理への予防の取り組みと健康増進 / 4 看取り、そして死に
ゆくことに向き合う
Ⅱ-5 超高齢社会と介護
1 はじめに / 2 長寿化の進展と介護 / 3 家族の変化と介護 / 4 介護の
社会化と要介護高齢者の生活 / 5 おわりに
Ⅲ 政策・制度・組織
Ⅲ-1 行政施策 —— 地方自治体による超高齢社会への対応
1 はじめに / 2 行政の対応 / 3 論点1: コストを考える / 4 論点2: シス
テムを考える / 5 論点3: 新しい資源を考える / 6 行政の果たすべきこととは
Ⅲ-2 保険・年金・医療・介護制度
1 はじめに —— 制度理解の必要性 / 2 社会保障の給付と負担について /
3 社会保険制度と税による社会保障 / 4 公的根金制度と自助努力 —— 「リ
スク」 の理解 / 5 医療保障の見通し / 6 介護保険の見通し
Ⅲ-3 高齢者雇用
1 はじめに / 2 高齢者雇用の現状 / 3 雇われる側の論理 / 4 雇う側の
論理 / 5 目指すべき方向
Ⅲ-4 高齢者施設のこれから
1 はじめに / 2 介護保険制度と施設 / 3 介護サービスと非営利性 / 4 ア
メリカの場合 / 5 日本の場合 / 6 おわりに
終 章 変化に対する適応力
1 はじめに / 2 第1の変化: 世界の中での変化 / 3 第2の変化: 技術の変
化 / 4 適応力を高めるためには