書籍紹介

災害心理学・精神医学・看護学

阪神・淡路大震災と子どもの心身

災害・トラウマ・ストレス
服部祥子・山田冨美雄 編

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価格 税込4,950円/本体4,500円
判型 A5判・上製
ページ数 326頁
発行年月日 1999
在庫状況 在庫有り
ISBNコード 978-4-8158-0364-3
Cコード C3011


書籍の内容

震災が子どもの心の奥底に残したものは何か —— 約3,000人の子どもたちが示したストレス反応を、精神医学・心理学・看護学の専門家が独自の調査測定・評価によって多角的に分析し、震災後のケア及びストレスマネジメント教育をどのようにしていくのか、その指針と方法を提示する。


書籍の目次

   Ⅰ部 子どものストレス

1章 子どものストレスとトラウマ

  1.1. ストレスとは
    1.1.1. ストレス反応
    1.1.2. 認知的評価とコーピング
    1.1.3. 心の傷
  1.2. 子どものストレッサ
    1.2.1. トラウマ体験
    1.2.2. ライフイベント
    1.2.3. 日常苛立ち事
  1.3. 子どものストレス反応
    1.3.1. 身体に出る症状
    1.3.2. 心に出る症状
    1.3.3. 行動に出る症状
    1.3.4. 子どものストレス反応の特徴
  1.4. 大人はどうかかわるか
    1.4.1. 子どもは術をもたない
    1.4.2. ストレスマネジメントを教える
    1.4.3. ソーシャルサポート環境を整備する
    1.4.4. ストレス反応の抑え方を教える
  1.5. 予防教育、健康教育として

2章 子どものストレスマネジメント教育

  2.1. 阪神・淡路大震災によって表れた子どもの行動
    2.1.1. 学校教師が見た子どもの行動の特徴
    2.1.2. 養護教諭が見た子どもの行動
    2.1.3. 子どものための身体・精神調査の実施
  2.2. 災害に関わる心的外傷後ストレス反応および障害
    2.2.1. 心的外傷後ストレス反応および障害
    2.2.2. チェックリストと処置マニュアル
  2.3. 災害後におけるストレスマネジメント教育の適用
    2.3.1. ストレスマネジメント教育とは
    2.3.2. 災害後におけるストレスマネジメント教育
    2.3.3. 災害後におけるストレスマネジメント教育の実際
  2.4. 災害経験を成長の糧にすること

3章 災害と子ども

  3.1. 災害とは何か
    3.1.1. 災害の定義
    3.1.2. 災害の分類
    3.1.3. 震災の特徴
  3.2. 災害に対する反応
    3.2.1. 災害に対する反応の時間的経過
    3.2.2. 被害による精神障害
    3.2.3. 震災による反応の特徴
  3.3. 災害と子ども
    3.3.1. 災害が子どもに及ぼす影響因子
    3.3.2. 災害による子どもの反応

4章 子どもの震災ストレスへの対応

  4.1. 被災児の心のケア
    4.1.1. 子どもの震災ストレス
    4.1.2. 被災児の心のケア
  4.2. 子どもを囲む人々の役割
    4.2.1. 親・家族の役割
    4.2.2. 学校の役割
    4.2.3. 専門家の役割

   Ⅱ部 震災と子どものストレス

5章 西宮における私たちの活動

  5.1. ご縁があって西宮市へ
  5.2. 私たちの活動の構造と基本的視点
  5.3. チェックリスト作成とそこから得たもの
  5.4. コンサルテーション活動
  5.5. 健康教育
  5.6. 震災からの学びとその記録

6章 健康教育としての介入

  6.1. 健康教育的初期介入
    6.1.1. 対象3校の特徴
    6.1.2. 活動の内容
  6.2. 自分を知ろうチェックリスト
    6.2.1. 子どもの症状
    6.2.2. チェックリストの開発
    6.2.3. 実施方法
  6.3. 4つの因子とスコアリング
    6.3.1. 有効回答数
    6.3.2. 有訴率
    6.3.3. 因子分析
    6.3.4. 簡易スコア化
    6.3.5. 簡易スコアの標準値
    6.3.6. 簡易スコアにおよぼす被災度の影響
  6.4. ASDからPTSDへの移行
    6.4.1. 半年後調査から
    6.4.2. 1年間の経緯
    6.4.3. 2年目以降の経緯
  6.5. 健康教育的初期介入の効果
  6.6. 事後措置から予防措置へ

7章 地震時の子どもの経験とストレス

  7.1. 子どもたちの震災時の経験
    7.1.1. 6ヵ月後の健康教育の際に付加した質問項目
    7.1.2. 地震時の経験の実態
    7.1.3. 地震発生時の経験とストレス反応の関連
  7.2. 地震観、社会性および回避傾向とストレス反応
    7.2.1. 1年後の健康教育に際して、チェックリストに付加した質問項目
    7.2.2. 子どもたちは地震をどのようにとらえたか
    7.2.3. 地震観、社会的関係および回避傾向とストレス反応の関連
  7.3. 地震の記憶とストレス反応
    7.3.1. 3年後の健康教育の際に付加した質問項目
    7.3.2. 地震の経験とその記憶
    7.3.3. 地震の記憶とストレス反応
  7.4. 自然災害の経験がひきおこすもの
    7.4.1. 震災による経験の多面性
    7.4.2. ストレス反応を予測するもの
    7.4.3. 地震後のストレス反応と外傷後ストレス障害 (PTSD) の疾病概念

8章 被災地小中学校でのコンサルテーション活動と子どもの様子

  8.1. コンサルテーション活動の基本的視点
  8.2. コンサルテーション活動の実際
    8.2.1. 個別コンサルテーションと集団コンサルテーション
    8.2.2. ケースの提示
  8.3. コンサルテーションを通してみた子どもの様子
    8.3.1. 教師からみた子どもの様子 (震災後1~2ヵ月の状況)
    8.3.2. 個別の事例
  8.4. コンサルテーション活動の意義
    8.4.1. 教師自身がサポートされることの重要性
    8.4.2. 子どもを多角的に見る

9章 保健室からみた小学生の心身の様子と看護支援

  9.1. 保健室とは
  9.2. 被災状況と小学生の心身の様子
    9.2.1. 地震直後の心理的状況
    9.2.2. 地震後の身体的状態
  9.3. 要支援群の子どもたちの状況
    9.3.1. 要支援群の子どもたちの抽出方法
    9.3.2. 要支援群の子どもたちの人数とその内容
    9.3.3. 要支援群の子どもたちの身体的、心理的状況
  9.4. 被災した子どもたちへの看護支援
    9.4.1. 地震後の保健室
    9.4.2. 地震後の看護支援モデル
    9.4.3. 子どもの内的能力が発揮できる支援
    9.4.4. 日ごろからの支援システムに基づいた活動

10章 バウムテストからみた子どもの様子

  10.1. バウムテスト
  10.2. バウムテストを実施するにあたって
    10.2.1. 学校の様子
    10.2.2. バウムテストの実施方法
  10.3. 震度の影響
  10.4. 年齢の影響
  10.5. バウムテストが示す子どもの震災ストレス
  10.6. 個々の事例について
  10.7. 震災の心理的影響

   Ⅲ部 震災ストレスが残したもの

11章 被災地中学生の心身の訴えと生活の変化

  11.1. 中学生の心身の健康状況
  11.2. 被災による心身の訴えの変化
    11.2.1. 調査について
    11.2.2. 調査結果より考えられる心身の訴え
  11.3. 心身の訴えと生活の変化の関連性
    11.3.1. 心身の訴えと住居被害程度
    11.3.2. 心身の訴えと負傷者の有無
    11.3.3. 心身の訴えと最近の暮らしぶり
  11.4. 被災地の中学生を支えるために
    11.4.1. 不安感や疲労感を訴える中学生に対して
    11.4.2. 地震で負傷者を身近に体験した中学生に対して
    11.4.3. 心身の気づきを日常的に行うこと

12章 親子関係からみた子どものストレス

  12.1. 研究の始まり
    12.1.1. 被災体験
    12.1.2. 震災直後のプレ調査
    12.1.3. 調査実施
  12.2. 母親のストレス
    12.2.1. 日常生活のストレス
    12.2.2. PTSDに関わるストレス
  12.3. 幼児のストレス
    12.3.1. 地震後の変化
    12.3.2. 被害の程度との関連
    12.3.3. 母親のストレスとの関連
  12.4. 母子関係のストレス
    12.4.1. 幼児の回復力
    12.4.2. 親子関係の安定
  12.5. 母子関係への援助
    12.5.1. 最近の傾向から
    12.5.2. 子ども、母親それぞれに

13章 非行少年と震災ストレス

  13.1. 震災による影響調査の目的と方法
    13.1.1. 調査目的
    13.1.2. 調査方法
  13.2. 調査の結果
    13.2.1. 自己報告
    13.2.2. 「自分を知ろうチェックリスト」 からみた心理状態
  13.3. 調査を通した非行少年の姿
    13.3.1. 重大体験による影響の強さ
    13.3.2. 肯定的変化についての理解の仕方
    13.3.3. 非行との関連性
    13.3.4. 慢性症状の発現可能性

14章 避難所の子どものストレス

  14.1. 災害時の避難所とは
  14.2. 混乱した子どものこころのケア
  14.3. 避難所としての学校
  14.4. こころのケアの実際
    14.4.1. 精神科救護所
    14.4.2. 大阪府の精神科救護所支援活動
    14.4.3. 相談診療事例全体の特徴
    14.4.4. 子どもの事例の特徴
    14.4.5. 精神科救護所での子どものこころのケアのあり方
  14.5. 避難所でできること
  14.6. 急がれる被災児童のストレス対策

15章 転校した子どもたち

  15.1. 一般の転校に伴うストレス
    15.1.1. 一般的な転校の状況
    15.1.2. 転校を乗り越えられない場合
    15.1.3. 転校生を受け入れる時の教師のこころがけ
  15.2. 地震により転校してきた子どものストレス
    15.2.1. 「被災地転入生こころのケア」 活動に至るまで
    15.2.2. 実態把握のための調査
  15.3. 個別相談で見た子どもの様子
  15.4. PTSDの視点を生かす必要性

16章 より支援が必要な子どもたち

  16.1. 特別な配慮を要する障害児
  16.2. 障害児にとっての学校と震災の影響
  16.3. 盲学校生の震災ストレス
  16.4. 児童養護施設の子どもたち
  16.5. 学校が果たした役割
  16.6. ケア・システムの必要性

資 料 編
  1. 私たちのアプローチ : 教師に配布した資料
  2. 自分たちを知ろうチェックリスト V2.2 実施の手引き
  3. 自分たちを知ろうチェックリスト
  4. 自分たちを知ろうチェックリスト各質問項目への回答分析 (1年間の経過)
  5. ストレス反応得点の1年間の経過
  6. 震災時の様子に関する質問への回答率 (%) における男女の比較 (西宮市だけ)
  7. 震災時の様子とストレス反応の推移 (西宮市だけ)
  8. 震災1年後の調査項目
  9. 震災後の様子に関する質問への回答率 (%) における男女の比較 (西宮市だけ)
  10. 震災後の様子とストレス反応の推移 (西宮市だけ)
  11. CPTS-D-RIj
  12. 健康生活のチェックリスト


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