内 容
縄文時代のドングリ食・漁業から弥生時代の卜骨・鳥形木製品、さらには近世の瓦・木綿にいたるまで、長年にわたる日韓の精力的なフィールドワークをもとに物質資料の比較を通して、日本と朝鮮半島との持続的な交流の実態を解明、以て新たな物質文化史の構築を試みた労作である。
目 次
刊行に寄せて(金基雄)
はじめに
第1章 日韓におけるドングリ食と縄文土器の起源
第1節 ドングリ食の研究史
第2節 ドングリの種類
第3節 韓国における遺跡出土のドングリ類
第4節 ドングリ豆腐 —— 韓国ドングリ食調査1
第5節 ドングリ御飯 —— 韓国ドングリ食調査2
第6節 縄文土器の起源と発達
第2章 朝鮮海峡における漁民の交流
第1節 縄文時代の地域文化
第2節 九州縄文文化の特質
第3節 日本列島における釣針の発達
第4節 西北九州型結合釣針の分布
第5節 韓国新石器時代の釣針
第6節 石鋸装着の銛
第7節 朝鮮海峡の廻転式離頭銛
第8節 慶尚南道勒島遺跡の抜歯人骨
第9節 漁民の交流と稲作の伝播
第3章 全羅南道郡谷里貝塚出土の卜骨
第1節 郡谷里貝塚と卜骨への関心
第2節 郡谷里貝塚の発掘調査
第3節 郡谷里貝塚出土卜骨の検討
第4節 朝鮮半島における卜骨
第5節 弥生時代の卜骨との関係
第6節 骨卜と亀卜
第7節 卜占の内容
第4章 韓国の蘇塗と弥生時代の鳥形木製品
第1節 蘇塗(ソッテ)への関心
第2節 全羅南道今江里におけるソッテの調査
第3節 韓国民俗学からみたソッテ
第4節 弥生時代の鳥形木製品
第5節 村落共同体の守護鳥
第5章 滴水瓦伝播の国際的背景
第1節 滴水瓦の機能
第2節 滴水瓦製作技法の民族学的調査1
第3節 滴水瓦製作技法の民族学的調査2
第4節 滴水瓦の伝播1 —— 韓国
第5節 滴水瓦の伝播2 —— 日本
第6節 滴水瓦の伝播3 —— 琉球
第7節 コビキ技法Bの伝播
第8節 古代桶巻き技法への疑問
第9節 瓦史の時期区分
第6章 木綿伝播の国際的背景
第1節 木綿への関心
第2節 木綿の伝播1 —— 日本
第3節 木綿帆の発達
第4節 呉陳官の木弓
第5節 木綿の伝播2 —— 韓国
第6節 黄道婆
第7節 『新・木綿以前の事』批判
第8節 「物質文化史学」の構築に向けて
引用文献目録
図表・写真一覧
初出一覧
謝 辞