「ひきこもり」と「ごみ屋敷」細目次
『「ひきこもり」と「ごみ屋敷」』細目次
序 章 「ひきこもり」とは、「ごみ屋敷」とは何か
国境を越える「ひきこもり」
「ひきこもり」はトートロジー(同語反復)か
ロックダウンは強制的な「ひきこもり」か
「ひきこもり」は自発的なロックダウンか
ひきこもり予備群へのロックダウンの影響
世代を超える「ひきこもり」——「ごみ屋敷」をめぐる問題へ
本書の構成
Ⅰ ひきこもり —— 総論
第1章 精神医学におけるひきこもり
「ひきこもり」以前
「ひきこもり」という言葉の登場
「社会的ひきこもり」という概念
「ひきこもり」の臨床
「ひきこもり」の社会問題化
不登校との関連について
第2章 ひきこもりの精神病理
「ひきこもり」の精神病理学的多様性
社会と個人の関係性に関わる「主体」のあり方
事例研究
事例についての考察
「快そのものの場」との関係
個人と社会との関係
「裂け目」あるいは神経症との関係
倒錯の構造なのか、神経症の構造なのか
享楽関係内在型ひきこもり、享楽関係非内在型ひきこもり
第3章 社会を見るひきこもり
—— ひきこもりにとって「画面」とは何か
「ひきこもり」における「死」の問い
ひきこもり青年における象徴的世界の回避
社会的死と他人の眼差し
フロイトによる「死の欲動」と「ひきこもり」
「生きた物故者」としての「ひきこもり」
「『ひきこもり』にとって『画面』とは何か」という問いへ
第4章 ひきこもりは病気なのか
「『ひきこもり』は病気ではない」と言うときの「病気」とは何であるのか
「ひきこもり」は症状なのか、(精神)疾患なのか
「ひきこもり」が「症状」の側で語られる場合
「ひきこもり」が「疾患」の側で語られる場合
フランスにおける「症候群」としての「ひきこもり」
「『ひきこもり』はどう見られているか」という問いへ
Ⅱ ひきこもり —— 各論
第5章 ひきこもりはヨーロッパでどう見られているか
フランスにおける「ひきこもり」への関心の高まり
フランスを中心としたヨーロッパでの筆者の講演活動
ヨーロッパで出版されている「ひきこもり」に関する学術論文
フランスにおける筆者による「ひきこもり」の訪問診療
フランスにおける臨床から生まれた問い
第6章 フランスのひきこもりの精神病理
言説形成体を対象に含む精神病理学へ
精神病理学的問いはどこから来るのか
フランスとの交流と臨床経験
フランスの「ひきこもり」の精神病理
医療の内側と外側
第7章 日本のひきこもりに対して何ができるか
状態について立てられるべき治療方針
治療の一環としてのグループ活動
病態について立てられるべき治療方針
「趣味」という「画面」へ
第8章 海外のひきこもりに対して何ができるか
フランスの医療制度と「ひきこもり」
フランスに「ひきこもり」のグループ療法は導入可能か
フランスにおける「ひきこもり」の治療システム
Ⅲ ごみ屋敷
第9章 ごみ屋敷はひきこもりの高齢者版か
「ごみ屋敷」という言葉はどこから来たのか
セルフネグレクトの時代における「ごみ屋敷」
「ごみ屋敷」をめぐる問い
第10章 海外のごみ屋敷とその精神病理
—— ディオゲネス症候群、溜め込み障害、ノア症候群
哲学者ディオゲネスと「自律」の概念
ディオゲネス症候群と溜め込み障害
ノア症候群
哲学者ディオゲネス、ディオゲネス症候群とノア症候群
医療の「周縁」という観点
ディオゲネス症候群と自給自足
第11章 ごみ屋敷の臨床経験
「ひきこもり」の長期化・高齢化
「ごみ屋敷」とディオゲネス症候群
ディオゲネス症候群の臨床経験
事例についての考察
「支援」の問題性
第12章 日本と海外のごみ屋敷に対して何ができるか
条例作りから精神医学へ
「ひきこもり」の治療論の応用としての「ごみ屋敷」対応論に向けて
終 章 個人の病理か、社会の病理か
あとがき
参考文献
索 引