『災後日本の電力業』(橘川武郎著)細目次
『災後日本の電力業』(橘川武郎著)細目次
序 章 歴史的転換への道
本書の課題と性格
歴史的文脈をふまえた電力改革への提言
日本電力産業史における時期区分
日本電力業の発展過程の特質
電力業経営の自律性への注目
10電力体制とその終焉
本書の構成
第1章 電力小売部分自由化の時代
—— 1995~2010年
第1節 頓挫した自由化
電力自由化の開始
電力小売全面自由化の挫折と第3次エネルギー基本計画
電気料金の下げ止まり
第2節 市場の飽和
10電力会社の販売電力量のピークアウト
電力化率と負荷率の上昇
第3節 電源開発の一巡
10電力会社の発受電電力量の伸び悩みと電源構成の変化
自家発電用のウエートの増大
一巡した10電力会社の電源開発
原子力発電所の新増設
原油輸入価格の高騰と火力開発
送・配電線の拡充と系統運用能力の維持
設備投資の縮小
第4節 競争の限定性
料金値下げと限定された競争
10電力会社の利益率の推移
原子力発電所の設備利用率の差異
特定電気事業者と特定規模電気事業者
第5節 ダイナミズム再生の頓挫
裏切られた期待
電力自由化と原子力発電との矛盾
電力自由化後退の背景
第2章 東京電力・福島第一原子力発電所事故と原子力安全・保安院
第1節 事故の概要
東北地方太平洋沖地震と福島原子力発電所
福島原子力発電所の概要と運転状況
福島第一および第二原子力発電所の事故の発生と進展
原子力災害への緊急対応
放射性物質の環境への放出
放射線被ばくの管理
国際社会との協力
事故に関するコミュニケーション
第2節 原子力安全・保安院をめぐる問題状況
原子力安全・保安院
問題の特定 —— バックキャスティングとフォワードキャスティング
問題群の整理
第3節 保安院が認識していながら解決されなかった問題
原子力安全・保安院の反省
事故以前の安全対策に関する問題点
事故後の対応に関する問題点
第4節 保安院が認識していなかった問題
本質を認識していたのかあやぶまれる問題
明らかに認識していなかった問題
第5節 事故調査委員会も認識しなかった問題
ひとまずのまとめと残された問題
2つの事故調査委員会も認識しなかった問題
第6節 原子力安全・保安院に対する全体的な評価
第3章 電力小売全面自由化の時代
—— 2011~2020年
第1節 小売全面自由化と発送電分離
電力システム改革の開始
電力小売全面自由化と競争の活発化
発送電分離と残された課題
電力料金の動向
第2節 節電と電化の交錯
東日本大震災直後の計画停電と電力危機
北海道のブラックアウト
電力需要の減少
節電と電化
第3節 電源構成の激変と政策の混迷
世界と日本の電源構成
電源構成の激変
「木を見て森を見ず」の第4次エネルギー基本計画
長期エネルギー需給見通しの決定
2015年策定の電源ミックスと「S+3E」
二重の公約違反
安全性 —— 依存度低減と組み合わせた原発リプレース
経済効率性 —— 火力発電用化石燃料の調達コスト削減
環境適合性 —— 高効率石炭火力技術の移転による海外でのCO2排出量削減
エネルギー安定供給 —— 市場ベースでの再生可能エネルギー電源の導入
パリ協定と地球温暖化対策計画
第5次エネルギー基本計画とその問題点
「廃炉時代」を迎えた原子力発電
まだら模様のエネルギー改革
原子力政策の漂流
原子力の未来を閉ざすもの
問われる「再エネ主力電源化」の本気度
系統制約の解消
水を差された「天然ガスシフト」
LNG火力のベースロード電源組入れ
2つの閣議決定間の矛盾
国際的視点に立つ「温室効果ガス排出量11.3億トン削減プラン」の必要性
非効率石炭火力のフェードアウト
送電線ルールの変更
第4節 10電力体制の崩壊
10電力体制の終焉
原子力再稼働の成否と電気料金の動向
新電力・イーレックスの急成長
東京電力再生への道
関西電力の金品受領問題とその影響
第5節 ダイナミズムは再生するか
発送電分離のメリットとデメリット
3つのビジネスモデル
ダイナミズムの新たな担い手
終 章 歴史的転換の先にあるもの
日本電力業の歴史的転換
原子力発電をどうするか
リアルでポジティブな原発のたたみ方
火力発電をどうするか
再生可能エネルギーをどうするか
2030年の電源構成
2050年の電源構成
ダイナミズムの再生
参照文献
参照Webサイト
あとがき
図表一覧
事項索引
組織・企業・人名索引