書籍紹介

哲学・思想・倫理

良心論

その哲学的試み
石川文康 著

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価格 2,800円
判型 四六判・上製
ページ数 296頁
刊行年月日 2001年
在庫状況 在庫有り
ISBNコード 978-4-8158-0417-6
Cコード C3010


内 容

良心の警告、良心の呵責、そして後悔 ——。良心とは何か? 良心はなぜわれわれを動かすのか? 正義論の手前にあるこの問いを、「共に知る」という言葉の原義から出発して、プラトン以降の哲学的良心論を参照しつつ解き明かし、欲望と方位喪失の時代に提示した注目の論考。


目 次

はじめに

第1章 「良心」の原義
     日本語の「良心」の由来
    「共に知る」
    「共に知る」というキーワードを確保する理由
     だれと共に知るのか

第2章 「世間と共に知る」と「神と共に知る」
  1 「世間と共に知る」
  2 「神と共に知る」
    「神と共に知る」長い歴史
    「神と共に知る」という意味の根強さ
     カール・バルトによる「神と共に知る」良心の復興

第3章 「自己自身と共に知る」
  1 ソクラテスの「自己自身と共に知る」
    「ダイモニオン」?
     無知の知
     徹底して「自己自身と共に知る」
     愛知者は死を恐れない
    「世間と共に知る」ことの拒絶
  2 ストア派の良心論
     キケロ、セネカ
     マルクス・アウレーリウス
     反省作用としての良心
  3 「自己自身と共に知る」良心の近世における端緒 —— デカルト
    『情念論』?
     暫定的道徳にひそむ良心論
     決定的道徳における良心の樹立
    「コーギトー(われ思う)」の射程
     精神の能動としての良心
    「かつて……一人もいません」の真意
     第一道徳律とデカルト哲学のふくよかさ
  4 合理主義の良心論とその体系
     ヴォルフら
     ルソーの良心論
     良心の体系
  5 良心法廷説 —— カント
     その典拠
     良心法廷は虚構か
    「自己自身」とは何か —— どのようにして可能か
     内なる他者
     いわゆる「自己原因」の不合理性
     二重の自己
     良心法廷の特殊性 —— 立法・司法は未分立である
     自律の真の意味
  6 「呼び声」としての良心 —— ハイデガー、ヤスパースとの関連で
    「呼び声」説の長い歴史
    「呼びかけ」とは何か
     何ゆえに鐘は鳴る?
    「呼びかけ」から「声」へ —— 道徳法則と良心の声
     法廷としての良心と声としての良心
     良心を中立性
  7 良心に対する反逆者の良心 —— ニーチェ
     良心の発生論
     知的良心
     知的良心の発生
     美的良心、趣味としての良心
    「良心の自由」とその試練
     責罪ということ

第4章 良心の三法則
  1 不知不可能性の法則(良心の第一法則)
     良心は「知らない」ということができない
     共に知ることからの逃亡 —— ペテロの場合
     ユダの良心
     ペテロの自己回復
  2 絶対不謬性の法則(良心の第二法則)
     良心は「間違うことができない」
     形式的良心性 —— ヨブの場合
     因果応報?
     良心と心
     疚しさのない良心
     疚しい良心の知も真である
     間違う良心?
  3 時間性の法則(良心の第三法則)
     良心の作用は時間の流れと共に強くなる
     警告する良心
     良心時間の未来性
     後悔は未来性の上に成り立つ —— 沈殿する未来性
     警告する良心はあらゆる良心現象の公分母である
    「償い」も未来性の上に成り立つ
    「べし」は沈殿するだけでなく、醸成する
    「未完の過去」とその救済
     時間の治癒作用と覚醒作用
    『マクベス』の場合
    『復活』の場合
  4 良心の超時間性
     超時間から時間への作用
     良心に時効はない
     良心の超時間性の法則 —— 第一、第二法則を回顧する
     あらかじめ考える —— プロメーテウス

第5章 共同体としての自己
     共同体としての自己
     伝統的な意味での個人と共同体
    「共同体としての自己」の拡大
     二人称「汝」の成立
     ブーバーの根源語 ——「我-汝」
     コーヘンにおける自我の根源
    「世間と共に知る」への頽落
     共同体に必須な不協和音 ——「~べし」の衝突
     非共同体的共同体としての良心
    「スキエンティア」から「コンスキエンティア」へ
      ——「コンスキエンティア」としての哲学

おわりに
     未だないものの現在
     希望という刑 —— 希望の逆説

 あとがき
 注
 事項索引
 人名索引


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