中日新聞(2011/1/11付)「ひと・仕事」より
中日新聞(2011/1/11付)「ひと・仕事」より:
小会編集部長・橘宗吾のインタヴュー記事
「原稿を読み込むことが原点」
中日新聞(2011/1/11付)の「ひと・仕事」欄において、小会の編集部長・橘宗吾のインタヴュー記事が掲載されました。
「『学者が小粒になった』と言われますが、いい研究者はいっぱいいます。いい人と巡り合い、良い本を出すための努力を続けたい」と語るのは、名古屋大学出版会の橘宗吾編集部長。自身を含めて編集者は5人の小所帯だが、若手研究者の労作をはじめ優れた学術書を次々に送り出している。
同会が刊行した『中国返還後の香港 —— 「小さな冷戦」と一国二制度の展開』(倉田徹・金沢大准教授著)は、2010年度のサントリー学芸賞を受賞した。学術書を対象とした権威ある賞で、同会の本が受賞するのは3年連続。多くの編集者を抱えた大手出版社でもなかなか難しい快挙だ。
「三年連続は意識していませんでしたが、今回が政治・経済部門、その前は思想・歴史部門、芸術・文学部門といろいろな部門で賞をいただけ、一分野だけの専門ではない大学出版としてはありがたいことです」
厳しい出版不況が続く中、まじめな学術書の世界で好著を続けて生み出している背景には「原稿を読んで感じた迫力や印象を大事にする」という方針がある。「厳しいと言っていても仕方がない。原稿をしっかり読むこと、そこからしか始まりません」(聞き手:三品 信 氏)