内 容
わが国の交通事故での死者数は過去最低を更新しているが、負傷者数は年間50万人前後と、相当数にのぼる。本書は、受傷のメカニズムと医学、事故の統計や法規、安全対策などを系統的に解説。医師・看護師、保険調査員、法曹や警察官、自動車技術者など、交通事故に関わる全ての人に。
執筆者
(執筆順)
一杉正仁 (はじめに、Ⅰ-1、Ⅰ-3、Ⅱ-14) 稲桝丈司 (Ⅱ-5)
森口真吾 (Ⅰ-1) 重田健太 (Ⅱ-6)
馬塲美年子(Ⅰ-2) 横堀將司 (Ⅱ-6)
槇 徹雄 (Ⅰ-4) 横田裕行 (Ⅱ-6)
伊藤大輔 (Ⅰ-5) 小倉崇以 (Ⅱ-7)
水野幸治 (Ⅰ-6) 石井 亘 (Ⅱ-8)
松井靖浩 (Ⅰ-7) 川戸 仁 (Ⅱ-9)
中村俊介 (Ⅱ-1) 立岡弓子 (Ⅱ-10)
增永直久 (Ⅱ-2) 髙橋健太郎(Ⅱ-11)
別府 賢 (Ⅱ-2、Ⅱ-12) 寺嶋真理子(Ⅱ-13)
平泉志保 (Ⅱ-3) 西山 慶 (Ⅱ-13)
塩見直人 (Ⅱ-3) 中村磨美 (Ⅱ-14)
堤 泰彦 (Ⅱ-4)
目 次
はじめに
Ⅰ 総 論 —— 交通事故の背景とメカニズム
第1章 交通事故の疫学
1 背 景
2 交通事故件数と死者数・負傷者数
3 状態別事故の背景
4 臨床現場への応用
第2章 交通安全に関わる法律
1 背 景
2 自動車運転免許制度に関する法律
3 運転者の責任に関する法律
4 患者の自動車運転と医師の責任に関する法律
5 臨床現場への応用
第3章 交通事故の原因
1 背 景
2 ヒューマンエラーによる事故
3 飲酒運転による事故
4 体調起因性の事故
5 臨床現場への応用
第4章 交通事故時の挙動と受傷メカニズム(1)—— 歩行者
1 背 景
2 歩行者事故での加害部位と被害部位
3 歩行者事故での衝突挙動解析
4 臨床現場への応用
第5章 交通事故時の挙動と受傷メカニズム(2)—— 二輪車・自転車乗員
1 背 景
2 二輪車事故
3 自転車事故
4 臨床現場への応用
第6章 交通事故時の挙動と受傷メカニズム(3)—— 自動車乗員
1 背 景
2 前面衝突
3 側面衝突
4 後面衝突
5 臨床現場への応用
第7章 自動車の安全対策
1 背 景
2 衝突安全分野における歩行者頭部保護への取り組み
3 予防安全分野における交通弱者保護への取り組み
4 衝突発生後の交通弱者保護への取り組み
5 その他の先進安全技術
6 臨床現場への応用
Ⅱ 各 論 —— 交通外傷の診療
第1章 交通外傷の初期診療
1 外傷初期診療の標準化
2 外傷初期診療の手順
3 外傷における緊急度・重症度
4 病院前救護活動
5 患者受け入れ
6 初療室における対応
第2章 交通外傷の患者評価(重症度評価法)
1 重症度評価の意義
2 交通外傷患者の重症度評価の実際
第3章 頭部外傷
1 解剖・生理
2 主要損傷
3 交通外傷に特有の事項
第4章 顎顔面外傷
1 解剖・生理
2 主要損傷
第5章 頸部・脊椎外傷
1 解剖・生理
2 主要損傷
第6章 胸部外傷
1 解剖・生理
2 主要損傷
第7章 腹部外傷
1 解剖・生理
2 腹部臓器の受傷機転
3 腹部外傷の疫学
4 主要損傷
第8章 四肢・骨盤外傷
1 解剖・生理
2 脱臼・脱臼骨折
3 軟部組織損傷
4 その他の主要損傷
第9章 小児の交通外傷
1 小児の解剖・生理
2 主要損傷
3 交通外傷に特有の事項
第10章 女性の交通外傷
1 女性の解剖・生理
2 外陰部打撲
3 骨盤の外傷
第11章 妊婦の交通外傷
1 妊婦の解剖・生理
2 主要損傷
第12章 高齢者の交通外傷
1 高齢者の解剖・生理
2 高齢者の基礎疾患
3 高齢者の内服薬
4 高齢者の交通外傷の概要
5 高齢者の交通外傷の解剖学的特徴
6 高齢者の交通外傷のトリアージ
7 高齢者の交通外傷のリスク因子
8 高齢者の交通外傷の治療
第13章 交通外傷の合併症
1 合併症総論
2 合併症各論
第14章 交通外傷の診療における法的問題点
1 診療録・各種診断書記載の注意事項
2 交通事故における死亡診断
3 交通事故診療と個人情報保護法、守秘義務
4 疾患と交通事故
索 引