書籍の内容
聖俗の間から立ち上がる新たな思考 ——。権力と相互依存、暴政と同意など、「ヨーロッパ文化」 の形成とともに生まれた、「政治」 をめぐる多様な知の営みは、いかなる特質をもち、どのように展開したのか。現実の状況に応答するなか、諸伝統から発展を遂げた中世政治思想の形を、明快に描き出す。
書籍の目次
序 章
第1章 12世紀人文主義と政治思想
1 ジョン・ソールズベリーとスコラ学的人文主義
2 ジョン・ソールズベリーの政治思想
第2章 教会法学と権力論の成長
1 中世教会法学と政治思想
2 教会内部の権力関係
3 聖俗両権に関する教会法学理論
第3章 アリストテレス政治学の衝撃
1 「アリストテレス革命」 再検証
2 アリストテレス 『政治学』 の翻訳・受容の思想史的意義
第4章 教会権力論の発展
1 教会論における権力論
2 教会と世俗の権力論
第5章 政治共同体論の自立
1 ダンテ
2 マルシリウス・パドゥア
第6章 教会論の転回
1 ダンテとマルシリウスの教会論
2 ウィリアム・オッカム
第7章 危機の教会論
1 ジョン・ウィクリフ
2 公会議主義
3 「政治に関する学」 の拡散
終 章 ヨーロッパ政治思想の誕生
受賞紹介
書評紹介
『社会思想史研究』 (39号、2015年、評者: 石黒盛久 氏)
『週刊読書人』 (2013年12月25日号、評者: 貫 成人 氏)