書籍の内容
法整備支援プロジェクトで注目を浴び、社会主義法・イスラーム法・伝統法なども取り込みながら、多様な発展を示すアジア各国の法状況を、各国地域の法専門家が最新の情報にもとづき詳細に解説、アジア地域の法制度の展開をダイナミックに捉えた、わが国初の本格的ガイドブック。
担当編集者より
本書は、近年の経済発展に伴って、その姿を大きく変えつつあるアジア諸国の法と法制度・司法・政治の状況を、はじめて本格的に解説したものです。我が国においては、法整備支援プロジェクトによりアジア諸国への法制度整備への援助が大規模に進められつつあります。しかし、それに対応しうる、現地語と現地の法事情に通暁した研究者による本格的な解説は、意外にもこれまで書かれてきませんでした。
本書は、法整備支援プロジェクトの第一人者である編者のもと、この欠落を埋め、とくに、体制移行国、発展途上国において、旧社会主義法や伝統法、イスラーム法などとの整合を図りつつ、現地に根ざして、かつ国際的に通用する法制度の整備を可能にするための処方箋を示さんとするものです。現在のアジアの法状況を正確に理解し、また今後さらに拡大する法整備支援プロジェクトを真に役立つものにしていくために、本書は必読の文献になるものと存じます。
書籍の目次
序 章 アジア法への招待 ………鮎京正訓
1.アジア諸国法研究と法整備支援 2.本書の構成
Ⅰ 東アジア
第1章 中 国 ………宇田川幸則
1.現代中国法史 2.国家組織と司法制度 3.法学教育・法曹養成と司法制度改革 4.中国法研究に関する情報
第2章 韓 国 ………尹 龍澤
1.韓国法の歴史 2.国家組織と司法制度 3.韓国における法源 4.立法過程 5.印刷媒体・インターネットによる法情報 6.文献の検索
第3章 台 湾 ………簡 玉聰
1.台湾法の歴史 2.台湾法の主な構造 3.台湾法の実際運用 4.台湾の法学教育と法学研究 5.台湾法研究に関する情報
第4章 モンゴル ………中村真咲
1.モンゴル法の歴史 2.現行の憲法体制 3.モンゴルの法と社会に関する主要な研究機関 4.法整備支援の現状 5.モンゴル法の基本情報 6.モンゴル法の基本文献
Ⅱ 東南アジア
第5章 インドネシア ………島田 弦
1.インドネシア法の歴史 2.インドネシアの統治機構 3.インドネシア法研究へのアクセス 4.インドネシア法研究に向けて
第6章 ベトナム ………鮎京正訓
1.ベトナムにおける第1の「近代経験」と法――植民地支配 2.ベトナムにおける第2の「近代経験」と法――法整備支援 3.「郷約」とドイモイ 4.ベトナムの憲法体制 5.ベトナム法研究に関する情報
第7章 カンボジア ………四本健二
1.カンボジアの国家機関と諸制度の概要 2.カンボジアの法制度の概要 3.法整備と法整備支援の現状 4.クメール・ルージュ裁判(KRT) 5.カンボジア法研究に関する情報
第8章 タ イ ………西澤希久男
1.タイ法の歴史 2.タイの法制度 3.タイにおける法学研究・法律情報
第9章 マレーシア ………桑原尚子
1.マレーシア法の歴史 2.マレーシアの法制度 3.マレーシア法に関する情報
第10章 ラオス ………瀬戸裕之
1.ラオスの法制史の概略 2.国家組織・司法関係機関の概要 3.裁判制度の概要 4.法学教育と法整備支援
第11章 ミャンマー ………牧野絵美
1.ミャンマーの統治機構と国軍 2.法学教育と法曹養成 3.ミャンマー 法研究に関する情報 4.新憲法における統治構造
Ⅲ 南アジア
第12章 インド ………浅野宜之
1.インドの司法制度の展開 2.インド憲法と司法 3.立法 4.法曹と法曹養成制度 5.インド法研究に向けて 6.法整備と司法改革
第13章 パキスタン ………浅野宜之
1.1973年のパキスタン憲法 2.司法の位置づけ 3.イスラーム法 4.パキスタン法研究に向けて
第14章 バングラデシュ ………佐藤 創
1.憲法と法源について 2.バングラデシュ社会の変容と法 3.現在の憲法と法令へのアクセスについて 4.司法制度と法学教育について 5.経済法改革について
附録 解説1:社会主義法(鮎京正訓)
解説2:イスラーム法(島田 弦・桑原尚子)
法情報へのアクセス1 国内編(傘谷祐之)
法情報へのアクセス2 海外編(砂原美佳)


