書籍の内容
本書は、文化摩擦をなくすためのノウハウを提供するのではなく、むしろ摩擦にこそ価値を見出し、異なる価値観のせめぎ合う臨界を見定め思考していく知性を養うために、その触媒となる経験を気鋭の研究者らが自らの専門研究と交差させつつ提示、読者を問題発見・探究へと誘う。
書籍の目次
目次:
本書のねらい
序 ナウシカの慰め――文化のあいだに浮かべる翼
[Ⅰ] 境界に立つ人々――文化衝突の現場から
1 民族紛争のさなかで――エチオピア西部・ガンベラ地方から
2 宙づりにされた人々――イスラエルのアラブ
3 境界線上のマリアス――メキシコ社会で先住民を装うこと
4 他者の顔――アルゼンチンあるいは倫理の零度
[Ⅱ] 国境の体験――内から見た日本、外から見た日本
5 パリ症候群――日本人の海外不適応とその背景
6 文化越境のオフサイド――トランスカルチュラルな批判はいかにして可能か
7 日本語・日本人・日本文化――読みの間隙に生まれる価値
8 キリバスにかける夢――国際人ノススメ
[Ⅲ] 民族共存の理論と実践
9 「植民政策学」と開発援助――新渡戸稲造と矢内原忠雄の思想
10 キング牧師の夢はついえたのか?――アメリカ合衆国の人種平等の実験から
11 移民と国民のあいだ――ドイツのトルコ人
12 異文化をつなぐ知恵――イスラームの倫理と共存の仕組み
[Ⅳ] 異文化理解の倫理にむけて
13 鳥のように獣のように――国境/砂漠/翻訳をめぐって
14 難民を救えるか?――国際医療援助の現場に走る世界の断層
15 「他文化理解」と「暴力」のあいだで――第三世界フェミニズムが提起するもの
16 異文化理解の倫理にむけて――本書を越えて進むために


