書籍紹介

文学

異文化への視線

新しい比較文学のために
佐々木英昭 編

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価格 2,600円
判型 A5判・並製
ページ数 296頁
刊行年月日 1996年
在庫状況 在庫有り
ISBNコード 978-4-8158-0282-0
Cコード C3090


書籍の内容

日本人は神秘的? それとも猿? 人が 〈他者〉 に注ぐ視線はどのように形成されたのか。その歴史性に潜むオリエンタリズム―西洋 (男性) 中心主義と現代の ポストコロニアル的状況を最新の知で脱構築し、人種・国境・ジェンダーに囚われない真の国際人のための文学・文化論を提示。


書籍の目次

【ウォーミング・アップ】
   異文化とどうつきあってゆくか  (稲賀繁美)
     A.日本人は西洋のことをよく知っているか
     B.発信型と受信型?
     C.眼差しの倫理学にむけて

【イントロダクション】
   比較文学はレイプか  (佐々木英昭)
     「比較文学」 という視線 / 解釈と侵犯 / 外交使節という見せ物 / 〈他者〉 とは何か /
     東と西 / 「東洋人」 という意識 / 「脱亜入欧」 と 「自己本位」

  Ⅰ 見ることの意味 —— 日本と西洋の視線の往還

【鏡としての異文化】
 1 むかし、ムスメ小説があった —— 『蝶々夫人』 と日本女性のイメージ  (岩田和男)
    1-1 東洋のバタフライ
    1-2 日本のバタフライ
    1-3 ムスメ小説というジャポニズム
    1-4 再びマダム・バタフライ

 2 外国人劇場と 『ミカド』 —— 日本で上演されたジャポニスム  (升本匡彦)
    2-1 はじめに
    2-2 外国人劇場と新劇
    2-3 初期新劇と横浜ゲーテ座
    2-4 喜歌劇 『ミカド』 をめぐって

 3 父と日本についての発見 —— 島崎藤村のフランス体験と文明批評  (平林 一)
    3-1 不倫と戦争 —— 『仏蘭西だより』 の背景
    3-2 黒船と隅田川 —— 『海へ』 の文明論
    3-3 19世紀日本の考察 —— 『夜明け前』 へ
    3-4 パリと東京 —— 栗本鋤雲と都市論
    3-5 おわりに —— 近代日本への視座

 4 徳冨蘆花はトルストイに何を見たか —— 評伝執筆とヤースヤナ・ポリャーナ訪問
                                              (吉田正信)
    4-1 はじめに
    4-2 評伝 『トルストイ』 執筆まで
    4-3 『トルストイ』
    4-4 蘆花の新生と煩悶
    4-5 蘆花のトルストイ訪問

 5 霊の生まれる場所 —— 科学とスピリチュアリズムの狭間で  (一柳廣孝)
    5-1 はじめに
    5-2 明治のこっくりさん・催眠術ブーム
    5-3 科学とスピリチュアリズムの狭間で
    5-4 「霊」 への眼差し —— 夏目漱石・芥川龍之介を中心に

【鏡の国の他者】
 6 試みとしての脱オリエンタリズム —— ハーン・まなざし・女性  (武田美保子)
    6-1 「妖精の国」 へのまなざし
    6-2 「宿命の女」 という 「オリエンタリズム」
    6-3 覚醒への軌跡
    6-4 ほぐれゆく呪縛
    6-5 家庭生活での 「まなざし」

 7 「自己本位」 で見る西洋文明 —— 漱石 「開化」 論の前提  (佐々木英昭)
    7-1 人間と猫はどちらが偉いか
    7-2 「矛盾」 を 「説明する」 意志
    7-3 東西ノ趣味全ク異ナリ
    7-4 トルストイ対漱石
    7-5 西洋ノ文人ヲ敬セズ

  Ⅱ 異文化とはなにか —— 日本対西洋の図式を越えて

【視線の形成と変容】
 8 アジア・アフリカ人は人間と見られていたか? —— 19世紀西洋文学における 「猿」の意味
                                                   (大貫 徹)
    8-1 はじめに —— 名探偵デュパンの鋭い指摘
    8-2 ヨーロッパの 〈外部〉 としてのアジア・アフリカ
    8-3 アジア=アフリカ=オラン・ウータン
    8-4 日本=ホッテントット=猿 —— ジュール・ヴェルヌの作品を通して
    8-5 非ヨーロッパ人を動物視するヨーロッパ人の差別意識
    8-6 おわりに

 9 若き日の詩人の万博体験 —— T.S.エリオットにおける比較文化論の行方  (成田興史)
    9-1 はじめに
    9-2 万国博覧会と単線的な進歩発展史観
    9-3 セントルイス万国博とフィリピン会場
    9-4 エリオットの短編 「昔は王様の男」
    9-5 『荒地』 における異文化への視線

 10 〈良き野蛮人〉 論の強みと弱み —— ディドロとモンテーニュを中心にして  (田所光男)
    10-1 はじめに
    10-2 ブーガンヴィルの世界一周航海
    10-3 タヒチへの二重の態度 —— 楽園の賛美とその領有
    10-4 ディドロの 〈良き野蛮人〉
    10-5 〈自然〉 の中に閉じ込められたタヒチ
    10-6 モンテーニュと人食い人種 —— 相対主義を超えて
    10-7 〈人間〉 における接点
    10-8 おわりに

【視線の屈折と交錯】
 11 まなざしの帝国主義 —— ロンドンの漱石/漱石の満州  (武田悠一)
    11-1 ねじれた西洋化
    11-2 漱石と 「支那人」
    11-3 漢文学と英文学
    11-4 鏡に映った自己

 12 帝国との対話は続く —— ポストコロニアル文学入門カリブ篇  (中村和恵)
    12-1 ポストコロニアル文学とは?
    12-2 引き裂かれた存在 —— ミッテルホルザーとリース
    12-3 植民地の側から語る —— 「語り直し」 からハリスへ
    12-4 他者との対話 —— クロス・カルチュラリズムの可能性

 13 『悪魔の詩』 あるいは文学という犯罪 —— 異文化理解の倫理にむけて  (稲賀繁美)
    13-1 固有名詞と歴史という 〈犯罪〉
    13-2 「ラシュディ事件」 と日本
    13-3 視線の交錯と五十嵐一の選択
    13-4 否定的能力発現の場としての翻訳
    13-5 文学という犯罪
    13-6 「知識人」 と 〈犯罪〉

   曲がったフランスパンを食べよう —— あとがきをひねって  (佐々木英昭)



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近刊案内

2017年7月18日出来予定

私にはいなかった祖父母の歴史

イヴァン・ジャブロンカ 著
田所光男 訳
四六判・上製・416頁
価格  3,600円
ISBN 978-4-8158-0879-2
Cコード 3022

2017年7月21日出来予定

原典 ルネサンス自然学 【上巻】

池上俊一 監修
菊判・上製・648頁
価格  9,200円
ISBN 978-4-8158-0880-8
Cコード 3010

2017年7月21日出来予定

原典 ルネサンス自然学 【下巻】

池上俊一 監修
菊判・上製・656頁
価格  9,200円
ISBN 978-4-8158-0881-5
Cコード 3010

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